2013/07/21

甲子園グラフィティー⑨地区大会報道の行間

毎朝、新聞をひらく楽しみのひとつに、
地区大会の報道に目を泳がせるひとときがある。

各新聞社のデジタル情報が手っ取り早いのだが、
必要以外は極力見ないようにしている。
野球というスポーツが放つ想像力が失われるからだ。

まずは一般紙で、北から南まで各都道府県の結果を見る。
有名・無名校に係らず、つぶさにもれなく各行を追っていく。
(失礼ながら)あまり見覚えのない校名に交じって、
カタカナばかりのニューフェイスを見かけたり、
楽しき哉、日本地図の旅。高校野球バージョンである。

1.2回戦から3回戦、4回戦...と進むほどに戦力が均衡、
大差やコールドゲームが少なくなって、接戦のスコアを知る。
ことに有力校同士の対決、僅差での勝敗には、
どんな攻防があったのか、行間から想像の翼をひろげるのだ。

ちなみに一般紙の朝日の場合、準々決勝までは結果のみ。
準決勝からはじめて各イニングの得点のほか、
バッテリー名、長打の選手名も併せて表示される。
想像力が膨らむのは、結果表示のみの準々決勝まで、である。
「行間を読む」というささやかな楽しみがあるからだ。

そうして、スポーツ紙に移行する。独自の切り込みによる
旬や話題の選手、こぼれ話・裏ドラマなど、
イマの高校野球の立ち位置と世間の目を俯瞰的に知るのだ。

さて、各地区大会が佳境を迎えてベスト8が決まるころ、
さしたる意味もないことであろうが、
1ヶ月ほど前の「展望」なる記事を引っぱり出す。
「当たるも八卦、当たらぬも〜」とまではいかぬが、
およそ下馬評どおりにコトが進んだことはなく、
当たらない天気予報よりはまあマシかな、
といった感想と印象を毎年のことながら覚える。

ま、これは高校野球に限らず、人間が欲する儀式だから、ね。









































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