2021/10/25

⑥古代米と案山子、クラシックだなあ

田んぼの案山子らを採集して21年目、

世に言うササニシキ・コシヒカリから

青天の霹靂まで出合ってきた(はず)。


が、やんぬるかな、麦飯と握り飯が

大のご馳走だったクチには、麦と米の

違いぐらいしか、とんと分からない。


そんな負い目を引きずってきたが、

黒い稲穂に遭遇、白濁した目ン玉も

驚いて案山子の前で立ち尽くした。


天の声でグーグル・センセにレンズを

向けると、何と「古代米」と宣う。

調子に乗って、さらに尋ねてみると、

ここ武藏国はいわゆる産地らしい。


案山子たちは神代の昔から知っている

のだ。念願の“へのへのもへじ”には

出会えずとも、思い思いのトラッドな

イデタチの数体が、古代米の田で

秋の陽をたっぷり浴びて輝いていた。



























































































































































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『カカシバイブル』(東京書籍・2009年) 

全国の案山子、161体が載っています


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2021/10/17

⑤案山子まで追い払う!シロモノとは?

2021年秋、にわかに出現。我が眼を

射った案山子(鳥獣除けのシロモノ)は、

人工の目ン玉も驚いた飛翔物体だ。


鳥に模した凧やドローンではなかろう。

鳥に疎い輩でも、コウモリでもなく、

カラスやトンビでもないことは分かる。

もしやタカ(鷹)かワシ(鷲)だろうか?

令和のUFO?未確認飛行物体かしらん?


そんなビッグバード?大群が飛び交う、

八ヶ岳山麓の田んぼへUターンする。

降り立ったのは松原湖なる無人駅だ。


近くの畑で作業する方に尋ねてみると、

「鳥が恐れて寄りつかない」と仰る。

反射テープ、目玉風船、爆音装置……

進化する"鳥脅し"の仕掛けを一掃する

決定版の襲来?あの“へのへのもへじ”

案山子さえ追い払われ一体だにいない。


*試みに、米どころ越後に本社がある

HCのサイトは「鳥追いカイト鷹」なる

名を付けてベラボーな高値でズラリ。

人の身代わりとなり田を護る案山子は、

古着etcを再利用してつくるものでなく、

カネで買う高額モノになってきている。


ふと『じゅうぶん豊かで貧しい社会』

の翻訳本が世に出て、時代の行く末に

警鐘が鳴らされて...何年になろうか。




























































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『カカシバイブル』(東京書籍・2009年) 

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2021/10/10

④友に会えない。案山子に会おう。信州・姨捨

時の疫病を恐れてか?案山子たちも巣ごもり、

という時世にも、名勝・姥捨の棚田では、

天日干しの稲掛けの傍らで案山子たちが

首を長くして友の到来を待っていてくれた。


そう、友に会えぬなら案山子に会いに行く。

マスク無用。ノー・ソーシャルディスタンス。

やあ、久しぶり、元気かい!?と耳元で

囁いて、安寧を確かめ会えたヨロコビに浸る。


気が合う案山子とは、稲木を赤提灯代わりに

地酒を酌み交わし、常食の握り飯をアテに

新米の作柄・シャバの世相やらを夜明けまで

語り合っていたい ――「姨捨」に見る夢。










































































































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『カカシバイブル』(東京書籍・2009年

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*「信州千曲観光局」

https://chikuma-kanko.com

TEL 026-261-0300

「姨捨の棚田」の稲刈りなどが見られます

https://chikuma-kanko.com/2021-10-09/post-29819/

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2021/10/05

③甲斐路のガードマン VS. 高原路のよろめき…案山子

気候変動で季節がさらに前倒しになり、

早生どころか中生の稲作の収穫も早まって

秋の風物詩・稲刈りも晩夏~初秋に

シフト!たわわに実る稲の姿はいずこに?


甲斐の国。ぶどう狩りならぬ案山子狩りは、

車窓から四方八方へのキョロキョロのみ。

“犬の卒倒”(ワンパターン)の暗中模索である。


笹子トンネル隧道の手前、案山子チックな

護衛兵が遠く覗ける。すわっ、甲斐大和から

戻るや、抜き足・差し足・忍び足で畑に。

家人の姿は窺えず、黙礼して地を後にする。

空きっ腹への褒美はイメージ上の笹団子。


(画像①②③)

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高原列車の名で人気のローカル鉄道・小海線。

“日本で一番海から遠い駅”としてスポット

を浴びる「海瀬」からほど近い畑に、夏倒れ

寸前の姿でよろめき立つ案山子がいてる!


列車交換時の上り・下りの乗り換えは、ま、

お手のものだが、実行すると帰路を失い野宿と

なる身、車窓からシャッターを押し続けた。


どうやら屹立する案山子よりも、よろめき

朽ち倒れる前の一体が放つオーラに感じ入る。

もしや「りかからず」で知られる女流詩人・

茨木のり子の感化が案山子的な身上にある?


(画像④⑤⑥)


*アーカイブ:2014年6月「茨木のり子展」@世田谷文学館

http://petekobayashi.blogspot.com/2014/06/blog-post_23.html

http://petekobayashi.blogspot.com/2014/06/blog-post_9.html




 



































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