全国のトップを切って、北北海道の代表校が決まる。
その地区大会に足繁く通ったわけではないが、
それでも幾つかの地はかすめている。
甲子園のお膝元である兵庫県から、大阪府、京都府、滋賀県、
岐阜県、静岡県、長野県、神奈川県、東京都、
埼玉県、千葉県、茨城県、宮城県、南北海道函館地区…。
聖地・甲子園スタジアムとは連結していない、
裸の地方球場はすっぴんで風土の薫りに満ちている。
それは球場の設備のような目に見えるものでなく、
風・土・空気といった肌で感じるもの。
喩えて言えば、野球とベースボールは違うけれど、
ある意味で「フィールド・オブ・ドリームス」という、
一途に白球を追う野球の原風景にもっとも近いのが、
日本の高校野球の裾野である地区大会なのだ。
もはや散逸してしまった写真だが、
幸いにネガとコンタクト・シートが僅かに残っている。
まさしく甲子園がそうであったように、
地区大会がもっとも熱かった70〜80年代の寸景である。
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