この警句を唱えたのは、物理学者・寺田寅彦だが、
10年前の2016年4月に熊本地方を襲った大地震
(前震/本震)をまざまざと思い起こす。甲子園での
高校野球の観戦もそこそこに現地へ往かずには
いられない。常用する“青春18きっぷ”を握りしめ
山陽本線をひたすら西進、そして鹿児島本線を
南下する。鳥栖、久留米、大牟田、乗り継ぎ駅の
荒尾を過ぎれば、ほどなく熊本だ。まずは贔屓
の居酒屋で渇いた喉を潤して明日への英気を養う。
翌朝、逗留した市内山裾に棲息するJ子に車出し
を願って一路、南下。さしたる被害はなかった
様子の市内と異なり、宇土、宇城、八代と一般道
を往くにつれて、目を覆う惨状が視界を捉える。
40°C近くに気温が上った昼下がり、もとより無い
オツムは“思考不能”寸前。禿げた道路標識の先、
ひしゃげた家々と断層のズレが眼を射る。人っ子
1人見当たらぬは、プアな視力のせいでなかろう。
そんな花眼を奪ったのは、被災した寺の貼り紙:
「裸にて 生まれて 来たに 何、不足」(小林 一茶)。
もとより余の好きな言の葉だが、遙か彼方・信濃の
句に九州・肥後の国でこんな場面で遭遇するとは。
防災拠点でありながら、痛ましい事故が起きて、
各種メディアがセキを切ったように一様に報じる
「イオンモール熊本」「日本製紙八代工場」は
想像以上に警備網が厳重で、およそ遠巻きにしか、
それも静止しては見られず、もどかしさが募る。
交通復旧の見通しは、鹿児島本線(宇土~八代)は
10月中旬頃を目指し、九州新幹線(熊本~新水俣)は
9月18日運行再開と報じられている。(8/31現在)
現地が日常を取り戻したら、八代市氷川町に在る
元プロ野球選手・監督の「秋山幸二ギャラリー」、
電通・創業者の光永星郎を顕彰する「八火図書館」
をイソイソと訪ねる!という願いを持ち続けよう。
そうそう、先年、大ファンの秋山選手を東急ハンズ
の店内で間近に見かけて、思わずサインを願って
しまった。その時の屈託のない微笑は忘れ得ない。
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