①「えっ、桜ってまだ咲いているんですか?」
3月下旬、東京あたりの桜が散り加減のころ、
行きつけの喫茶店の顔見知りのレディに、
「今から西日本の桜の撮影に行くんです」と
言ったら、不思議そうに真顔で尋ねられた。
日本全国一斉に桜が咲いて、一斉に散る!
と思う人は少なくないどころか、存外に多い。
“一過性の桜”は人間の意識の中でそんなもの。
春、在所の桜が咲いて見ごろに近づくと、
TVなどに「週末は花見日和になるでしょう!」
と喧伝されて、そのままインプットしちゃう。
(でも、春の使者にニガい顔は似合わない。
ニコニコ微笑んで“行ってきま~す”と応える)
② 5分咲きと5分散りの怪?
桜の咲き具合は、1分咲き、3分咲き・5分咲き~
というように“分”(ヨミ:ぶ)を使って数字で
表わすのが慣習なのだが、5分咲きと5分散りの
見分け方が存外にムズカシイ。いつだったか、
ある観光案内所に“ちょうど5分咲き!”と言われ、
満開が撮れる!と勇んで行くと何と“5分散り”。
かように、咲き/散りの把握ってシロウト目には、
意外にも容易でない。つぼみが膨らみ始める→、
花が咲き始める→半分ぐらい咲く→満開になる
→散り始める→葉桜になる…およそ図鑑みたいな
児童でもわかる桜の開花から落下までの推移を
目視することがないと、陥りやすい盲点なのかも。
(でも、春の使者にニガい顔は似合わない。
ニコニコ微笑んで“愉しんで来ま~す”と応える)
③ 桜って、平地だけでも半年ぐらい咲く
軟弱な輩・私めは、平地のみをウロウロ流浪する。
平地のシバリを外すと6月から8月にかけ咲く桜、
北海道であれば羅臼/知床/旭岳…本州であれば、
北アルプス栂池/乗鞍の高地などでエゾヤマザクラ、
チシマザクラ、タカネザクラなどが見られるが、
小童の頃の木登り以来、あいにく高所は圏外だ。
ちなみに「桜前線*」は、1月の沖縄から北海道東の
5月ごろまで何と半年*近くも愉しめるものだが、
(突拍子もない喩えだが)……プロ野球などの公式戦
(3/下~10/下)の半年の期間が世の中にあまねく
知られているのとは荒唐無稽ながらワケが違う(w)。
好きな桜と野球の“知名度の高さ”は差し置いて
冒頭の「えっ、桜ってまだ咲いているんですか?」
と言われて何ら不思議でない。むしろ当然なのだ。
*平年値であり、史上最速(!?)の23年は対象外です。
*「桜前線」は、マスメディアによる造語です。
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30余年、列島の桜を追ってこようが、
いつだって双六でいえば振り出しに戻る。
自然の理なのだけれど、ま、来年は
せめて平年並みであってほしいですね。
*ささやかな桜行脚のメモランダムですが、
同志への いささかでもご参考になれば幸いです。
桜って、そう、天からの贈りものだからね。
((↓画像はイメージです/西〜東の順))
↑名物ディスプレイのリアル桜・(神戸・大丸1F)
↑星野リゾートのOMO7ホテル・ファサード(大阪・新今宮)
↑めずらしいオカメザクラ(東京・日本橋)
↑フェンスからニョキ!これぞ桜・愛護 (東京・尾久)
↑花見デビューのベイビーとママ (東京・芝公園)
↑白い煙突がシンボルの清掃工場の桜 (東京・杉並区)
↑空き蔵?を優しく包むソメイヨシノ (秋田・角館)
↑親亀の上に子亀!の桜マンホール (青森・弘前)
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(Photo by 中野正貴)