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天王寺に来ると、通天閣も、新世界も、
ジャンジャン横丁もハルカスも、なぜか
カメラは関心を示さず、勝手に動物園を
撮りたがる。なぜかしらん?と首を捻って
みると、子ども時分に動物園とやらに
連れて行ってもらったコトがまったく無い
から!とゆー妙な根拠なき結論に達する。
その、孤独のグルメならぬ天王寺ズーに
入園することなぞは、いくら暑さでアタマ
が狂ってもナイ。炎天下に、スタコラ...
ようやく日陰の横丁に辿り着くと、そこは
天下に鳴り響く?裏・天王寺横丁である。
が、バッテン、いいカモであった。これ幸い
と軒下の長~い店先で滴る汗をびしょ濡れ
タオルで拭いていると、昆布顔のオバはんに
掴まる。我、“昆布顔”でもしているのか!
イキナリ、“昆布屋商売上がったり”バナシが
延々と続くのだ。→北海道・根室の昆布盛、
道東の羅臼、知床…と昆布の仕入れ先の
コンブ値が“上がったり”の件がエンドレス。
相づちの打ち止め!を入れかけても、ダメを
押すごとく、ところ変わって、かの有名な
利尻昆布の話がコンコン・昆布!と続いて。
急きょ、昆布ならぬ“桜の撮影”で追っかけた
北海道での十年間が怒涛のごとく蘇って...
桜の写真と昆布の画像がほてった瞼の上部に
オーバーラップする。そして……何よりも、
汗ずくの身体が北の大地の雪景色にスッポリ
覆われ、さながら天然クーラーに包まれた
気がちょっぴりした。しかも“ロハ”であ~る。
支離滅裂になってきたケド、おばはんよ!
ありがとさん、コンブ話。きっときっと
商売が戻るから!遠くからオーエンするよ。
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