2012/10/24

鎮魂の町を歩く(vol.14)-1震災絵日記 2


行く先々の地で新聞を読むのは、ささやかな楽しみだが、
この「震災絵日記」のシリーズ絵も、そのひとつ。

「福島民報」に日曜日ごとに掲載されているもので、
以前にも一度この欄で紹介したが、
被災画家が震災に負けず絵筆を振るう様は、
多くの読者、とりわけ被災者の心を掴んでいるに違いない。

全日本水墨画大賞にも輝いた、南相馬市在住の方で、
不条理な災害と無能な政治への怒りを込めた
端的な表現は、どこか温かくも透徹した眼の介在を感じる。

投稿の、復興予算の流用をタカの群れにかけた絵は、
「寸鉄人を刺す」絵言葉というべきもので、
凡百の言葉より、問答無用、絵の底ヂカラを感じる。





















数多の写真、映像が氾濫する中にあって、
ビジュアルの原点とでもいうべき、絵のパワーを
写真は見習うべき、と思わずにいられない。

そんなことをツラツラ考え巡らしていたら、
20年近く前に、あのピューリッツァー賞を受賞した
「ハゲワシと少女」の写真が眼の前をよぎる。

タカならぬワシが餓死寸前のスーダンの少女を襲う寸前を
捉えた写真で、絶賛と批判を浴びた有名な写真だが、
およそ脈絡がないながらも、復興とは名ばかりで、
利権と足の引っ張り合いに明け暮れる、
この国の平和ボケがどうしても気になるのだ。

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