比良で「カカリンピック」を堪能したら、
アスリートの案山子たちに「お疲れさ〜ん!」とか言って、
止まり木で一杯。てなコトとはまるで無縁で、
二匹目のドジョウを狙うのが、案山子狩りの鉄則。
車窓から目を凝らし続けると、150メートル?ほど向こう、
時雨の中に煙って、か・か・かかしが、いてるではないか。
降りるしかない。駅名は聞き慣れぬ「おごと温泉」。
聞けば、風俗・歓楽街「雄琴温泉」のイメージを払拭するため、
観光協会の肝いりで ひら仮名に変えたという。なんたる愚挙か。培った風土・文化が消えていく。
とかなんとか、案山子とは無縁ゴトをブツクサ言いながら、
畦道を行けば、おやおやヒネクレ顔の案山子が・・・。
ペーソスを漂わせて、と言えば聞こえはいいが、
奥にいる弟分なんかは、稲の番人なんか放棄しちゃって、
壁にもたれちゃって、フテ寝している。
その上、おねえなんかは、行き場も居所もないのか、
木立の中に身を匿ってしまっている。
人間の分身である案山子は、田畑に放たれながら、
風土の"いななき"として、飼い主の心情をまごうかたなく
現すのだ。これで、夜更けの一人酒も旨くなるぞ!
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★案山子の写真160体が載っています!
「カカシバイブル」(東京書籍) →http://p.tl/A2Ne
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