2012/10/16

「鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷ」B-2012


鉄道は、国の写し絵でもある。

日本の鉄道開業140周年に合わせて、JR各社は、
子どもやファミリー向けから鉄道ファンまでを対象に、
様々なイベントを年内いっぱい催している。
それ自体は何の異論もないが、どっこい鉄道の今に目を遣れば、
相も変わらずスピードと効率の加速化、一辺倒である。
格安切符での移動しかエンのない者でも、黙って見ていられぬ。

眺めるだけでなく乗りたいナ、と思っていた
「ブルートレイン」なる寝台特急は、もはや風前の灯。
夜を徹して走る急行や快速列車でさえも、
いつの間にかバッサリ切り捨てられて、在来線は縮小の一途。














すべてはドル箱"シンカンセン"のため、と言いたい。
およそ新幹線がニッポン国の「巡航速度のアイコン」であるかの
ような錯覚が意図的に生まれ、庶民の懐はドル箱・新幹線に
吸い上げられる構図がとめどなく加速する、この国である。

たった1年半前の東日本大震災を、よもや忘れてはいるまい?
人間の科学技術が自然の前で如何に無力なことを、
あれだけ知らしめられた!にも拘らず、
喉元過ぎれば、豪華絢爛の設備と最高スピードに躍起となる
変わらないこの国の、かくも飽くなき独占JR商法。

新幹線がまだ「夢の超特急」と呼ばれていたころの
ニッポンはまだよかった。いや“新幹線”なんて誰が付けたか
無味乾燥でミョーな語もなく、例えば東京ー青森が12時間、
東京―大阪が8時間、東京―九州が20数時間で
往来していたころが、イチバンよかったに違いない。

そんな昔でなくても「狭い日本、そんなに急いでどこへ行く」
なんて、皆が拍手して音頭をとっていた標語は、
いったい全体、どこへ葬られてしまったのだろうか?

この秋も、「18きっぷ」の仲間のような「鉄道の日記念きっぷ」を
しかと握りしめ、ローカル在来線をガタゴト乗り継いで、
まだまだ知らない未知の日本を、この私はテクテクテクと歩くのだ。












































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