鉄道は、国の写し絵でもある。
日本の鉄道開業140周年に合わせて、JR各社は、
子どもやファミリー向けから鉄道ファンまでを対象に、
様々なイベントを年内いっぱい催している。
それ自体は何の異論もないが、どっこい鉄道の今に目を遣れば、
相も変わらずスピードと効率の加速化、一辺倒である。
格安切符での移動しかエンのない者でも、黙って見ていられぬ。
眺めるだけでなく乗りたいナ、と思っていた
「ブルートレイン」なる寝台特急は、もはや風前の灯。
夜を徹して走る急行や快速列車でさえも、
いつの間にかバッサリ切り捨てられて、在来線は縮小の一途。
すべてはドル箱"シンカンセン"のため、と言いたい。
およそ新幹線がニッポン国の「巡航速度のアイコン」であるかの
ような錯覚が意図的に生まれ、庶民の懐はドル箱・新幹線に
吸い上げられる構図がとめどなく加速する、この国である。
たった1年半前の東日本大震災を、よもや忘れてはいるまい?
人間の科学技術が自然の前で如何に無力なことを、
あれだけ知らしめられた!にも拘らず、
喉元過ぎれば、豪華絢爛の設備と最高スピードに躍起となる
変わらないこの国の、かくも飽くなき独占JR商法。
新幹線がまだ「夢の超特急」と呼ばれていたころの
ニッポンはまだよかった。いや“新幹線”なんて誰が付けたか
無味乾燥でミョーな語もなく、例えば東京ー青森が12時間、
東京―大阪が8時間、東京―九州が20数時間で
往来していたころが、イチバンよかったに違いない。
そんな昔でなくても「狭い日本、そんなに急いでどこへ行く」
なんて、皆が拍手して音頭をとっていた標語は、
いったい全体、どこへ葬られてしまったのだろうか?
この秋も、「18きっぷ」の仲間のような「鉄道の日記念きっぷ」を
しかと握りしめ、ローカル在来線をガタゴト乗り継いで、
まだまだ知らない未知の日本を、この私はテクテクテクと歩くのだ。

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「ピート小林と歩くこころの日本遺産 ブルートレイン」
(日刊スポーツ・アーカイブ)
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