2023/04/06

古城のほとりの桜と...写るんです

「小諸なる 古城のほとり 雲白く 

遊子悲しむ…」(島崎藤村・千曲川旅情)

古城とは小諸・懐古園にほかならない。

最後に訪ねたのは四半世紀ほど前、

陽春、ふと行きたくなって早朝に発つ。


その小諸。かつては信越本線で悠々と

日帰りできたのに、冬季長野五輪により、

一気に遠い町になってしまっている。

峠の釜飯で知られる横川から“連絡バス”で

碓氷峠を越えてまずは軽井まで行って、

“しなの鉄道”に乗ってようやく小諸である。


いずれも「青春18きっぷ」は無効!という

「18きっぷ」愛用者の嘆きを慮ってか、

由緒ある懐古園は変わらぬ佇まいのままで

流浪人をかいがいしく迎え入れてくれる。


ほどよい広さの園の中、ソメイヨシノから

小諸ヤエベニシダレまで春を謳歌する

桜たち…いつしか春のまどろみの中にいた。


帰り際、ふと「写るんです あります」

「フィルムあります」の懐かしの看板に

目が留まる。古城なる懐古園の桜は

こういうフィルムでこそ撮るものなのだ!

慌てて売店を探している私をなじる。

写真の奥義だね。ありがとう、懐古園。





















































































































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