TVやネットメディアに出演の見目麗しき
桜たちじゃない路傍の桜というものに、
年々歳々、惹かれて久しい。素のままの
等身大の人身に近しい、と思うからだ。
そういう意味でも、吾妻線の桜たちは、
まず貴重な存在である。群馬・渋川から
嬬恋村の大前までの55km余、17駅。
沿線には草津温泉をはじめ、四万、沢渡、
万座、鹿沢、川原湯…と名だたる♨が
目白押しだが、私にはからきし縁がない。
幾度か案山子で行脚したゆえ地理勘は
十分。桜を追い過ぎて右往左往しようが
迷子とは無縁で済む。万座・鹿沢口を
振り出しに東進すると、凡そ絵葉書など
には縁がなかろう在所の桜・桜・桜
たちが、うだつの上がらない桜流浪人を
手招きしてくれる。たゞ感謝あるのみ。
ひと駅ごとに下乗車を繰り返す誘いに
駆られたが、挙げ句は駅舎で夜を明かす
ことになりムカシは常習犯だったが、
現代では生憎ご法度。やむなく下り線で
目星をつけた国定忠治で知られる郷原
に絞って採集に勤しんだ。戦果はいかに。
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