この12年ほど、4月半ばから決まって
3.11被災地である東北沿岸の桜を
取材&撮影してきたが、異例の速さの
桜前線、北の在所はもう葉桜である。
目先を列島の東から“北”に移してみる。
“桜”磁石は↑北信州に位置する仁科三湖
(青木湖・中綱湖・木崎湖の総称)を、
とりわけ“中綱湖”畔の桜を指している。
よし速効で行くぞ。中央本線と大糸線を
乗り継ぎ北上だ。ガタゴトと心地よく
揺れる列車に身を任せて車窓を彩る桜に
目を潤して6時間弱。午後深く信濃大町
の先、簗場(やなば)駅に降り立った。
すぐさま群生するヤマザクラが視界に。
無風の早朝なら水鏡のように湖面に映る
オオヤマザクラが白眉と言われるが、
鈍行日帰り必須の輩に早朝は無縁である。
終電列車で帰れる信濃大町、松本行の
上り列車が来る小1時間の持ちタイムに、
脚と目玉をフル稼動。北信州の山桜
が放つ色香とオーラを存分に授かった。
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