2014/05/29

被災地を詠んだ桜に目が留まり

シンブンガミに載る俳壇・歌壇を、
いつごろからか、よく見るようになった。

せっかく日常に接する紙面に載っているのに、
目を通さないと季節に申し訳ない思いがするからだ。
句のひとつもひねれぬ朴念仁のくせに、である。

この時季は、花を詠んだものに目が留まるが、
とりわけ東北の被災地の桜がそうだ。
2011年から3年間、被災地の桜を見てきたのに、
今年に行けなかったのが余計にそうさせる。

手元に残っている朝日新聞の紙面から、
ちょっと気になったものを載せさせていただく。(敬称略)

・福島に帰る帰れぬ櫻かな (長岡京市・寺嶋三郎)

・全村避難の村の桜はさみしかろ
 しいんと咲いてしいんと散って (福島市・美原凍子)

・はらはらと浪江の土手に舞う桜
 しばし忘れる胸の線量計 (南相馬市・池田実)

・除染する熊手の上に降る花弁
 愛でられず散る浪江の桜 (南相馬市・池田実)

後半の2首は、福島県浪江町で除染にあたった作業員に
よるもので、27日付の朝日新聞夕刊にも大きく
取り上げられたので、目に留まった方も少なくないだろう。

*掲出写真は、2011年春に撮影したものです。















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