2012/08/24

甲子園よ永遠なれ (August 23, 2012) 大阪桐蔭VS光星学院


史上初の春夏同一カードによる決勝戦。
全勝の横綱同士がぶつかる千秋楽のような舞台に
熱い攻防を期待するも、淡々とした展開で、
夏のテッペンへ駆け上がったのは、春の覇者だった。



















みちのくに初の大旗を!の挑戦者・光星学院の夢を、
またしても打ち砕いた大阪桐蔭の恐るべき強さだけが際立った。
都道府県別優勝の最多を更新する大阪勢のそれは、
何よりも頂点であり続けることへの飽くなきプライドであり、
地の利を差し引いても余りあるもの、と言えよう。

「一球同心」をはじめ、大阪桐蔭の野球を形容する言葉は
多様だが、今夏も勝つべくして勝ったというほかない。
甲子園での通算戦績は32勝7敗、何と全国1位の勝率である。
ことに全員野球をモットーとする西谷監督の勝率(24勝4敗=8割5分3厘)は、
あのPL学園を率いた中村監督のそれを(58勝10敗=8割5分1厘)を
上回る、というから、記録は破られるためにある!?
にしても、大阪が大阪を抜くという「切磋琢磨」が大阪の強さか。

部員66人の殆どがボーイズリーグの出身で、全員がスポーツ推薦入学。
加えて、多数のOBプロ野球選手による、有形無形?の
「V製造システム」が出来上がっていると聞けば、
主催新聞社の見出しに踊った「大阪桐蔭 最強形」も何ら不思議でない。



















さて、光星学院。3季連続の準優勝は、別の意味で偉業である。
東日本大震災からの復興に、どれだけの人が勇気づけられたことだろう。
ただひとつだけ足りなかったもの、それは、
相撲で言うところの、いわゆる「心・技・体」でなかったか。
そのどこかに銀メダルであり続ける甘さが潜んでいるように見えた。

ゲームでの戦術や個々のプレーには言及したくない。
ただ試合後、チームで最も注目を浴びていた大阪出身の選手が
「大阪桐蔭に憧れていた」と、ふともらしたと聞けば、
それこそ高校生のことだからして無理もなかろう、と思う。
が、同時にそこに優勝をたぐり寄せられなかった、
何か大事なメンタル要素が隠されていたような気がしてならない。
それは高校野球というものが、大学野球やプロ野球と違って、
極めて感情的なスポーツであるからだ。

三沢高校が松山商業との世紀に語り継がれる名勝負・
引き分け再試合を演じてから、すでに43年の月日が流れている。
夏の選手権大会だけでも、東北勢として7度の挑戦。
甲子園の女神がみちのくの球児に微笑む日は、果たして近いのか。




















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