2020/04/14

伐採されなかった桜を求めて、「南三陸・志津川」

南三陸を行くBRTバス・ルートは絶えず変化する。
出くわした切り取って保存したくなる光景も、
期限付きであり、明日、また出合える保障はない。

町づくりへの槌音が鳴り響く「志津川」もそう。
道標となった瓦礫・跡地、嵩上げの盛り土も
過程の代物、道標になるのは伐採されなかった桜。

在所も変わらない。が、ニュー道路から遠望する
山肌に霞む桜木の間に案山子らしきものが、
ヌッと顔を出している。春かかし!?小躍りするも
束の間、近づくと、なんとミニ鳥居であった。
イカン。どうやらツラに飼いはじめた「そこひ」の
せいかもしれぬ。気を取り直し、顔面に紙袋を
被された猫のバック歩きよろしく、後ずさりする。

記憶の淵からすっぽり抜けている「志津川」の桜。
唯一、旅人の目を潤ませくれた桜の保育園は、
もぬけのカラだ。わずかに伐採を免れた道端の桜と
スタンプみたいな「しづがわほいくしょ」の字。

ひるがえって、目にも入らずだった鎮守の杜の
祠・鳥居にそよぐ古木の枝垂れ桜に誘われ、
さながら誘発されるようにシャッターを押し続けた。
あのミニ鳥居かかしに呼び込まれていた、と思う。

(*投稿日は撮影日と異なります)








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