"現代詩の長女"と呼ばれた「茨木のり子」展に、
梅雨空の土曜日、遠路、再び足を運んだ。
昨日、今日と朝刊の1面コラム(朝日・天声人語*)に、
この時局にかけて茨木のり子展と詩が
続けて引用されたのも、偶然とは思えない気がする。
きょうは沖縄慰霊の日。
6月9日付の小ブログにて代表作を抄録したが、
「わたしが一番きれいだったとき」のもう2節を記そう。
多感な10代を戦争に奪われた月日を回顧する
言うまでもなく、もっとも有名な詩のひとつである。
わたしが一番きれいだったとき
まわりの人達が沢山死んだ
工場で 海で 名もない島で
わたしはおしゃれのきっかけを落としてしまった
わたしが一番きれいだったとき
わたしの国は戦争で負けた
そんな馬鹿なことってあるものか
ブラウスの腕をまくり卑屈な町をのし歩いた
"現代詩の長女"と名付けた詩人・新川和江さんは、
「すがすがしいハンサムな女性詩人!」と
ハンサムという美称を初めて使って称している。
静かにゆくものは
すこやかに行く
健やかにゆくものは
とおく行く
女流詩人がいちばん大切にした詩句、と聞く。
自己批判の精神を忘れた今の時代こそ、
もっと愛しまれていい、稀有な詩人とつよく思う。
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★茨木のり子展
世田谷文学館 03-5374-9111
〜6月29日(日)まで(月曜休館)
交通:京王線芦花公園駅より徒歩5分、
JR荻窪、小田急千歳船橋よりバス便あり
http://www.setabun.or.jp/exhibition/exhibition.html
*天声人語
http://www.asahi.com/paper/column.html
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