絶叫調の広告がいやでも目に入る電車内外で、
折につけて目に留まる広告がある。
読売新聞の一面コラム「編集手帳」だ。
世の中の森羅万象を「淡麗辛口」のごとく、
てらいなく淡々と見せるもので、
1枚の写真と記事調のコピーが心に沁み入る。
さりげない写真のチカラもさることながら、
一見、コピー文言のように見せる記事の一節も、
よく吟味されて抽出されたものである。
本紙の購読に誘引する広告手法として、
よく出来ている成功例であるが、
読んでいくと、ふとリズムが崩れることがある。
これは、新聞コラムの文章パーツを
つなぎ合わせることから生じる小さな綻びだが、
良質のキャンペーンだけに残念である。
あるいは、広告上の文章の"つなぎ"には、
コラム筆者の意向が反映されていないことも
十分にありえることで、そこには、
お家の事情というものがからんでくる。
編集手帳の筆者に、コラム文言の広告上の
"起承転結"を求めるのは酷というもので、
第一、筋違いというか本末転倒というものだ。
コラムの印象的な"節"を広告俎上にすえる、
という手法をとりつづける以上、
惜しむらくはの問題であり続けるだろう。
ジャーナリズムと広告は、
似て非なる間柄、とでもいうべき、
異母兄弟のようなものなのだ。
*読売新聞「編集手帳」キャンペーン
http://premium.yomiuri.co.jp/info/henshu-techo.html
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