造花といえば、反射的にパチンコ屋の店先が
長らく私の脳内イメージの定位置だった。
昭和の時代から否応なくある風物誌である。
時代が変わったのか、私が変わったのか、
自問自答してみる。が、時代は変われども、
私は変わりようがないから愚問であって、
どうも桜の弘前の仕業とひとり睨んでいる。
花散れど、弘前にはとびきりの造花がある!
とばかり、公園の桜が散ろうが散るまいが、
とまれ現地に走る。年々歳々、そこかしこで
ヌッと出くわす造花に惹かれるのはなぜか。
それも、リアルと見紛うアーティスティック、
お洒落なシダレザクラなどでは断じてない。
いかにも造花!と一目で分かる造花がよくて、
ひねもす一日の桜撮りを終えても、夜街を
徘徊して桜に再会するヨロコビも倍増させる。
長引くコロナ禍、随一の歓楽街・鍛治町も
いささか静か過ぎて、およそ心配するのだが、
造花は心配無用。 花マルの“かくみ小路”は、
ロゴ意匠の回る映像もあって造花銀座である。
翌日の白昼、前夜の造花どころをスタコラ
歩くヨロコビもまた格別。贅沢を言えるなら、
チンドン屋が練り歩く…桜に見る夢である。
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*ピート小林@造花撮影中
(Photo by 中野正貴)
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