2012/09/02

こころの日本遺産「おわら風の盆」(September 1~3)

愁漂う胡弓や三味線の音色に合わせて、
編み笠を目深にかぶった男女が、町を流して踊り歩く。
叙情あふれる光景は、夢か幻か。

晩夏から初秋へ。「おわら風の盆」にぞっこんである。
子どもの時から、踊りにはからきし縁がなく、
町内会の盆踊りも、阿波おどりも見る阿呆のままで、
馬齢だけを重ねてきた、なのにである。 きっと、「風の盆」という風流な響きに惹かれたのだろう。 踊れぬ案山子(かかし)みたいなデクノ坊でも 観覧可なことを、事前に確かめたのは言うまでもない。

夕闇迫る、町の辻のそこかしこから聞こえる町流し...
直線的な男衆の踊りに連なる、女衆のしなやかな手の所作と
艶っぽい物腰に陶酔は、まるで影絵のよう。
この世のものとは思えない幽玄な踊りのとりこになってしまう。

が、小説「風の盆恋歌」や同名の曲はもとより、
NHKが番組で取り上げてから、ご多分にもれず人気も沸騰。
観光業者が節操なく集客、大型バスで人波が押し寄せて、
3日間(9/1~3)の人出は30万人にもなるという。
かつての静寂は望むべくもなく、もはや後戻りは出来ないのだろうか。















♪八尾よいとこ
   オワラの本場~
    二百十日を オワラ
     出て踊る~






















♪踊る姿に
   見惚れているに~
    なぜに編み笠
     オワラ 顔かくす~






















♪春風吹こうが
   秋風吹こうが~
    おわらの恋風
     身についてならない~





あたかも思慕を寄せていたヒトに、
時空を超えて巡り会えたような、越中おわら風の盆。
変わらない姿のままであることを願っている。

★恋の風を探してー風の盆
もっと見るhttp://p.tl/6G4f
ピート小林と歩く「こころの日本遺産」
(日刊スポーツ・アーカイブ


0 件のコメント: