「ザ・人間案山子」"待ち人を待つ人"を
つくられた案山子づくりの名人にお会いするために、
塩田平の別所から踵を返して上田入りする。
「ゴメンナサイ、遅くなってしまって」
ひとりの名人、と呼ばせていただきたいご婦人が、
丹誠を込めてつくられた案山子たち。
思い思いのポーズをとりながら、
風来坊の案山子ハンターを待っていてくれた"幸"。
名人にお伺いする製作の挿話やストーリーに、
案山子たちも、耳をそば立てては瞳を輝かせている。
お婆ちゃんから語り継がれる昔話に
身を乗り出したり。かつては日本のどこにもあった
暮らしの一コマが、田んぼの前でひろがる光景。
雀たちもお米をついばむのを忘れて、魅入っている?
古きよき日本の映し姿として、忽然といる眼前の
案山子たちは、私たちに何を訴えようとしているのだろう。
昭和どころか、20世紀の匂い・臭いは加速度的に消えて、
ピカピカ・ツルツルな"デオトラント日本"に
変貌するムードの中で、モノも言わずじっと耐えて
さえざえと暮らしているのは、昔も今も
案山子たちが棲息している、名もない地方なのだ。
そこにはワビもサビもなければ、テレビや雑誌などが
囃し立てる温泉も名料理も銘酒も、おそらくない。
在るのは日本人の心の奥底で、長らくの間、
かくれんぼしていた心象風景であり、原風景である。
そう、名もなく、貧しく、美しく。
ーーー裸にて 生まれて来たに 何不足 (一茶)
◉
★この案山子行、テレビで全国放映されます(予定)
(別シークエンス、また内容は上記の限りではありません)
▶9月19日(水)8時30分 TBS系列「はなまるマーケット」
アタマの「スゴイ人百選」コーナー(およそ10分)
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★案山子の写真160体が載っています!
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