2013/08/03

1970's at The Ben Jonson, San Francisco ⑯

"分け入っても分け入ってもリキュールの山"だが、
なぜかイタリアものは突出してしまう。

「Galliano」(ガリアーノ)という名の、
傾けばピサの斜塔みたいなノッポのリキュールは、
並みいるヨーロッパ・リキュール山脈の中でも、
自己主張度・自己顕示度がナンバーワン。

濃い黄色の液色に漂う、地中海産アニスとハーブの
色香もかぐわしく、ガリアーノを唯一無二たらしめている。
(写真はBeforeならぬAfterのボトル、色が消えてスミマセン)

イタリア人街があることで知られる、サンフランシスコ。
時の善男善女は、このガリアノがベースの
「ゴールデンキャデラック」「ホワイトキャデラック」を、
はたまた「ハービイ・ウオールバンガー」という
スクリュードライバーにガリアーノをフロートした
カクテルをこよなく愛した。ノッポの瓶が
正座するヒマがないほど、ガリアーノはモテモテだった。

同じイタリアの同胞である「Strega」(ストレガ)という
名の黄金色のリキュールも覇を競っていた。
ガリアノが甘美とすれば、ストレガは醇美と言えようか。
サワーにしてよし、クーラーにしてよし。

ついでにイタリア半島からちょっと目をずらすと、
ギリシャが誇る「Metaxa」(メタクサ)が、
ちょっと凝った意匠で、さりげない存在感を放っている。
グリーク・ブランディーというべきもので、
ブランディーほどハードでなく、リキュールほどスイートでなく、
と言えば、何だかお調子のいい口上みたいだが、
絹のように滑らかなな味わいは、一度飲んでみるしかない。



























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