彩の国・埼玉は、案山子の国。と勝手に呼んでいるが、
誰も賛同してくれず、ケゲンな顔をされるのがオチである。
関東地方では案山子が多く棲息する地なのだが、
中でもイチ押しは、ときがわ(都幾川)・越生エリア。
ある年、すっかり顔なじみになったバスの運転手さんに、
「山あいのパラグライダーの地に案山子がいるよ」
と耳にして、せっせと毎年通い続けている。
通い10年、ようやく1機のパラグライダーを、
気に入りの案山子の背後に捉えた。
ランディングの手前、拍手こそしなかったものの、
あたかも背中に眼があるごとく身を呈して、
しかも全身全霊で、舞い降りるのを歓迎している。
かのパラグライダーの眼にもきっと入ったに違いない、
フィニッシュはことのほか見事な芸であった。
他所では決して見られない、芸術的と思える案山子たちは、
近隣で見つけたオーガニック・カフェ「ぽっぽの木」の
女主人と地域の子どもたちの手による作品。
ウスノロ与太者の出し抜けな訪問にも、温かく接してくださり、
毎年欠かさず、10体ほどの案山子をメルヘンチックな
ストーリーで紡いで、大人たちが少年少女のころ
等しく抱いた夢を、時空を超えて想い起させてくださる。
とりわけ今年は、"NO NUKES"を体現したもの、
衣服をまとわない原案山子の表現性に目が釘付けになった。
彩の国・埼玉の地の、彩り豊かな案山子たち。
アヴァンギャルドと呼びたい一体一体を舐めるように
見入っていると、いつしか陽が西に傾いていた。
*公共交通機関
JR八高線/東武東上線・越生駅から、
ときがわ町民バスで瀬戸下車、徒歩約10分
「ぽっぽの木」(週3日営業) Tel 0493-65-4978
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★案山子の写真160体が載っています!
「カカシバイブル」(東京書籍)→http://p.tl/A2Nek
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「ピート小林と歩くこころの日本遺産 案山子」
(日刊スポーツ・アーカイブ)
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