ふと案山子らしき影を見たような気がした。
それは、かなりのスピードで走るバスの車窓からだった。
1週間後、あらためて同じバスに乗り込む。
気仙沼駅と柳津駅を結ぶ、JR気仙沼線の暫定運行・代行バス。
被災地という灰色の景色が気仙沼湾から続く中、
当てずっぽで下車した大谷海岸駅バス停から歩くこと、およそ30分。
収穫が終わった稲架(はざかけ)のかたわらで、
影だった物体が案山子として現れた瞬間、小躍りしてしまった。
被災地の案山子は、それほどに発見が容易でない。
宮城県の山元町、岩手県の陸前高田に続いてようやく出合えた、
今シーズン3度目となる、かの地の案山子である。
案山子に護られたのだから、きっと美味しいお米になるよ。
シャッターを押す間、心の中でつぶやいていた。
*公共交通機関
JR大船渡線・気仙沼駅前から、柳津行き代行バスで約35分、
大谷海岸または小金沢下車。徒歩約30分。
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(日刊スポーツ・アーカイブ)
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