2012/11/20

鎮魂の町を歩く(vol.15-2) 茨城県ひたちなか市阿字ケ浦

かつては遠浅の美しい砂浜で「東洋のナポリ」と称され、
300万人もが訪れて、関東一の海水浴場だったという阿字ヶ浦。
そんな栄華をよすがを物語る「海の家」の内部は
今も放置されたままで、平穏無事であった夏が偲ばれる。

そんな阿字ケ浦海水浴場は、13年前に設けられた沖防堤で、
奇しくもエアポケット的に津波の被害は免れたが、
福島第一原発事故による放射能汚染水で客足は途絶えて、
近年賑わっていた学生サークルの合宿も壊滅という。

地震による被害の改修をしたところで、
もし原発事故が収束しても、客足もすぐには戻るはずもなく、
東電や国による補償が得られなければ、町が消えてしまう。































少年時代、たった一度だけ行った海といえば、
茨城県下の、とある無名の海岸だったような記憶がある。
壊れたのガラス越しにファインダーを向けると、
遠い夏の日の思い出が、砂浜の貝殻を拾うように蘇ってくる。

海が誘うニッポンの地域差は、きっと来夏も縮まらないだろう。
そんな典型的な地が、茨城県の沿岸部にあるのだ。















*公共交通機関
常磐線勝田駅より「ひたちなか海浜鉄道」湊線 で約30分、
終点阿字ケ浦駅下車。海岸へは徒歩約7分。
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