あれから10年、釜石市南東部にある
唐丹町の本郷集落をようやく再訪する。
2011年春、難儀して峠を越え辿り着くと、
桜並木を消防車がサイレンを鳴らして
走る非常時の光景が目に焼き付いている。
現地への道のりは記憶の彼方に霧散。
行きあたりばっ旅は不能。調べまくって
ネット出力した路線バス+町民バスの
時刻表を握りしめての現地入りである。
飛び乗ったバス、幸いにジモティーと
おぼしき若い女性からヘルプの声かけもあり、
(この風体に、まことに僥倖なレア体験)
安堵して本郷の桜並木に辿り着いた。
1896(明治29)年と1933(昭和8)年に襲来、
壊滅的な被害を与えた「三陸大津波」碑。
傍らに「伝えつなぐ大津波2011.3.11」
と彫られた数基の碑が光明を放っている。
来歴によると「昭和三陸大津波」後、
旧唐丹村に植樹された約2,800本の桜は
復興への祈りと、今上陛下の生誕を
祝うためとされる。そのうち約800本が
残る本郷の桜だけが3.11の大津波に
洗われながら見事な花を咲かせてきた。
とはいえ、染井吉野の平均寿命を超える
齢90年になる古木。新たな桜並木を
つくるため植樹活動を続けていると聞く。
ふと目を上げると、桜咲く墓地の横、
ミニ耕地に、か・か・案山子がいるでは!
何という歓待ぶり。桜股旅人は、秋、
案山子股旅人に転じ本郷を訪ねなくては。
(投稿日は撮影日と異なります)
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