2013/02/11

こころの日本遺産「平凡の非凡、日の丸」(February11, 2013)


「日の丸と写真」には浅からぬ縁がある。
国旗の真ん中に"日の丸"が座っているように、
ヒトの顔を写真の真ん中に入れると頭上が空っぽ状態に
なってしまう。これを「日の丸写真」を称して、
およそツマラナイ失敗写真の代名詞と呼ばれている。

どんな写真の大センセイが名付けたか知らないが、
「日の丸」を失敗写真の揶揄に使うのは、
ナルホド感より日本人としてデリカシーの欠如を感じて、
身体のどこかでずっと引っ掛かってきている。

写真天国ニッポンで、長らくまかり通っているネーミングの
ホームラン、ならぬ大失策とも思っているので、
反旗をひるがえし、積極的前向きに"日の丸写真"そのものを
撮っている。正確に言えば「日の丸」と「写真」の間に
"の"の字を入れた、「日の丸の写真」であるけれど。

少年のころ、貴重な白いご飯の真ん中に赤い梅干しが
のった「日の丸」弁当は平凡なごちそうだった。
そんな時代、祝日の家々には鮮やかな日の丸の旗が掲げられ、
風にはためいているのが日常の光景だった。
が、哀しいかな、旗日の祝日でも、いま日の丸を掲げる民家は
めっぽう少ない。それに符丁?して、日の丸弁当も消えかけている。

それでも、列島のそこかしこで、多くは名もない町村だが、
日の丸が正々堂々とひるがえっている姿を見かけると、
アクビをしていたカメラがにわかに起立して、日の丸が真ん中に
来ようと来まいと、早く私に「日の丸写真」を撮らせて!といななく。

・・・「日の丸」だけが持つシンプルさ・潔さは、
平凡の非凡である。意匠を超えての人性の鑑と言ってもいい。
あるアメリカ人のブロガーによる世界216カ国の国旗デザイン・
ランキングによるとーー日本の国旗・日の丸は、
ソマリア、パキスタンに次いで3位に挙げられている。
白地の中央に赤い正丸のみは、海を越えて審美眼を射るのだろう。

今日2月11日は「建国記念の日」。
ふと童心に帰って、口ずさんでみたくなった。

♪白地に赤く 
日の丸染めて 
ああ美しい 
日本の旗は

(明治44年制定 文部省唱歌)






















































ピート小林と歩く「こころの日本遺産」日の丸
http://p.tl/Y0m4 
(日刊スポーツ・アーカイブ)

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