「青春って、すごく密」の意表をついた
よもやの優勝メッセージが監督から発信され、
日本列島を感動の渦で包み込んでいる。
球児だけでない、オール高校生へのエールに
満ちた一言は、野球という垣根を越えて、
この国の新時代のフォースになるかも知れない。
さらには『日本一からの招待』:日本一を
取りにいくのではなく、心技体で日本一から
招かれるようなチームを目指す、という
言葉のレトリックを超えたようなスローガンに
弛緩した身体はおののき目眩を覚えている。
◎過去に3度決勝で涙を飲んだ仙台育英だけに
観戦してきた幾多の試合が脳裏を巡るが、
17年夏、劇的な逆転サヨナラで大阪桐蔭を
破り8強入りした試合が今もハートを焦がす。
夕陽と暗雲の中、3塁側アルプスの金網に
張り付いて歓声を上げた日がまざまざと甦る。
◎東北勢に転じて記録をひもとけば、春夏を
通じて12回ほど決勝の舞台に臨むも、すべて
敗れ準優勝に甘んじた。今夏、重い100年の
扉をようやく開けて「白河の関*」の呪縛も
解かれたが、21世紀になってからは、どこが
優勝しても不思議でないレベルと感じていた。
*2004~5年と連続、北の大地の駒大苫小牧が、
白河の上空~北海道へ優勝旗を翻した年は、
天にも昇る気持ちになり、翌2006年の
早実との引き分け再試合に天を仰いだのだが、
東北の民の気持ちを慮らずにおられず、
夏ごとに長らく仮借の念を抱いたままだった。
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甲子園・東北勢の春夏決勝戦績
1915年夏 ● 秋田中 1–2 ○京都二中
1969年夏 ● 三沢 2–4 ○松山商業
1971年夏 ● 磐城 0–1 ○桐蔭学園
1989年夏 ●仙台育英 0–2 ○ 帝京
2001年春 ●仙台育英 6–7 ○常総学院
2003年夏 ● 東北 2–4 ○常総学院
2009年春 ● 花巻東 0–1 ○ 清峰
2011年夏 ●光星学院 0–11 ○ 日大三
2012年春 ●光星学院 3–7 ○大阪桐蔭
2012年夏 ●光星学院 0–3 ○大阪桐蔭
2015年夏 ●仙台育英 6-10 ○東海大相模
2018年夏 ● 金足農 2-13 ○大阪桐蔭
2022年夏 ○仙台育英 8-1 ●下関国際
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遙か彼方にダイヤモンドが霞む外野席から、
スコアボードとアルプス応援席に目を遣ると、
先ず瞼に浮かんだのは、被災した地域に
住まわれる方々である。2011年3月11日来、
すでに11年数ヶ月もの間、東日本大震災と
東京電力福島第一原発事故から日夜、復興を
遂げようと奮闘されている方々に、感動と
励ましのエールが届いていますように——
大会歌♪「栄冠は君に輝く」を口ずさみ
ながら手を合わせる。若人の純朴で真摯な
息吹こそ大きな活力の源になるのだから…。
((備考:選手は“新幹線”で決勝翌日に帰仙。
下僕は“青春18きっぷ”を10回乗り継ぎ、
日付をまたいで帰京也。(アップ遅刻の弁))
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