この秋、鉄道開業150周年を迎える矢先、
かまびすしくなった地方ローカル線の
廃線ニュースに心が痛む。内地ではさほど
話題にならないが、とりわけ北海道は
かまびすしく取り沙汰されてきて久しい。
札幌一極集中という北海道の姿の中で、
道内きっての動脈で函館と旭川を結んで
きた函館本線。2030年に開業される
新幹線の札幌延伸に伴って「山線」の
小樽(余市)–長万部間は廃止同然なのだ。
もとより鉄分の薄〜い輩ではあるが、
ならば出陣!と後ろ髪を引かれた小樽を
早朝に発ち、ニッカのメッカ・余市を
かすめて、かつて桜行脚で足繁く通った
倶知安、そしてニセコを強制的に訪ねた。
□倶知安に降り立つや、ここは函館本線の
ホーム?か、新幹線のホームなのか?
の錯覚に陥り、ここって何処?ワタシは
誰?みたい白濁した目と無いアタマが
ぐるぐる廻る。ようやくモタモタと歩行
して、ほうほうのテイで駅前に出るや、
「新幹線倶知安駅早期開業」の巨大な
看板がデーンと聳えて素浪人を睥睨する。
愛すべき倶知安の、惜別の滴もなき姿。
ロータリーの外れ・啄木の句*に慰められて
踵を返すと…“んゃちっく”と右書き!の
駅名標が寄る辺なき旅人を歓迎してくれる。
さらには国鉄チックな改札口に安堵して
上り「山線」に飛び乗ると何と満席である。
失うものへの愛惜の情の発露なのか否か。
*真夜中の
倶知安駅に下りゆきし
女の鬢の古き痍あと
(歌集「一握の砂」収録)
□さて、ニセコである。パウダースノーの
聖地として海外から人気喝采のリゾートに
それらしき空気は駅の周辺には、ない。
オフシーズンとCovid-19禍を差し引いても
である。いずれは「ニセコ・バブル!」
と呼ばれる日も遠くないような気がする。
所詮、この世は雪より<マネーだから。
スキーには縁がなく、滑って転んで・・・
すってんころりんの人生の輩であるが、
懐かしくて新しいレトロなニセコ駅舎が
黙ったまま言っているような気がした。
○誉れある、ニセコ駅の変遷
真狩駅(1904/明治37年開業)→狩太駅
1906/明治39年)→ニセコ駅(1968/昭和43年)
国鉄(JR)では初めてカタカナ名のみ
で表記された後世に残る駅名である。
(資料:時事通信社)
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アクセス:
倶知安:小樽から函館本線で約80分
ニセコ:小樽から函館本線で17分
(函館から長万部経由でも可能です)
ニセコ駅前♨「綺羅の湯」源泉掛け流し
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0136-44-1100
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