2015/04/21

みちのくの小京都・角館の夜桜とは

小京都と名乗る花どころは全国に50余あるが
"京"と"桜"の露出度では、角館がイの一番であろう。
桜ミシュランでいえば、五つ星と思っている。

枝垂れ桜は武家屋敷沿いと町中に点在するので、
三脚と機材バックを両肩に食い込ませて、
てんでの方角にスリ足で駆けずり回ることになる。
マラソンは苦手も、短距離走は得手だったし、
被写体が桜なら丑三つ時までもいとわず、である。

たっぷり日が暮れる頃合いから、どこからともなく
夜桜見物のカップルが現れて人波が切れない。
目前!にそれと分かる三脚カメラがシャッター中でも、
見て見ぬフリをしながらヌウと立ち塞がって、
桜バックの自撮りに勤しみ、画像を確認しながら、
キャッキャと嬌声を張り上げ、桜下を離れようとしない。

夜桜撮影は20〜30秒ほどの長時間露光となるので、
銀塩フィルムの半分近くをフイにして、
フィルムとは、別名、"フイルム!"なりと苦笑する。

ま、こうしたことはずっと目を瞑ってきたのだが、
過度のエチケット違反に業を煮やして、
"Move on please!"と何度か口をついたことか。
英語だったのはこんなケースに適な言葉であり、
かつ咄嗟に日本語より効果アリ、と思ったからだろう。

桜の取材を長いあいだ続けてきているが、
花見にまつわるマナーは向上しているどころか、
低下する一方と肌で感じている。当節、
桜による"おもてなし"は花見どころでも躍起なのに、
自分さえよければ...の風潮に歯止めも利かない。

「年々歳々 花相似たり 歳々年々 人同じからず」

















































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