そぼ降る梅雨空の一夜、ジャズを聴きたくなって、
東京は明大前にあるジャズ喫茶「マイルス」に友人と寄った。
友人はジミー・スミスをリクエスト。私は、
2年前に急逝した友を偲んでマル・ウォルドロンを要望する。
想えば、ジャズと酒好きだった広告デザイナーの彼を誘った夜、
本人がリクエストしたのがこのアルバムだった。
「Left Alone」・・・打鍵の強いピアノの音が、
はては天上でグラスを傾けている?友に届いただろうか。
彼の出身・根室は、日本列島最東端のジャズの地、
そして桜前線の最終章の地として、そのスジではよく知られる。
ご当地で妹さんご夫婦が営んでいる「ジャズ喫茶」には、
我が桜巡礼のたびにお邪魔して、ご長兄ともどもに
お世話になった月日が、走馬灯のように脳裏を駆け巡る。
傍らの友人はバーボンをロックで飲っている。
私は、ジントニックのダブル割りで杯が急ピッチですすむ。
長っ尻は禁物。ふと我に返り、半年前に91年の生涯を終えた
デーブ・ブルーベックの「Take Five 」を聴いて、
あのコルトレーンもお忍びで寄ったという止まり木をいとまする。
都会の夜の静寂に、根室の霧笛が聴こえてくるようだった。
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