2013/06/27

1970's at The Ben Jonson, San Francisco ⑤

「ベースをGinにするかVodkaにするか、それが問題だ」
とはハムレット王子も言いそびれた名言だが、
洋の東西を問わず、酒好きはいつだって両者の選択を迷うもの。

Ginと並ぶスピリッツの代表格・Vodka(ウオッカ)は、
基本的に無色透明、無味、無臭なので、
いきおいカクテルづくりのベースとして大活躍する。

1970年代、一世を風靡したThe Ben Jonsonのバーカウンターで、
ウオッカ・マティーニとウオッカ・ギムレットが
ウオッカ・チーム①②番打者の指名を日替わりで争うとすれば、
③番バッターは「Bloody Mary」(ブラディー・メアリー)だった。

誕生に諸説が伝えられるように「レシピ」も様々だが、
我が「スクラップ帖」の落書きに目を落とすと、
アセント、セロリーソールト、シーズン・ペパー、
ウースターシア・ソースetcの香辛料をトマトジュースに加えて、
仕上げにセロリ・スティックを添えるのが流儀だった。

ご当地サンフランシスコは野球も盛んな地だったので、
戯れに"クリーンアップ"にかけて続けてみると、
④トマトジュースの代わりにClamato(トマトジュース+蛤のエキス入り)
を使った「Bloody Caesar」(ブラディー・シーザー)、
⑤ビーフ・ブイヨンを加えた「Bloody Bull」(ブラディー・ブル)と続く。

さらには、
⑥トマトジュースを省いてウオッカ+ビーフ・ブイヨンの
「Bull Shot」(ブル・ショット)も好まれて
⑦ベースのウオッカを抜いたノンアルコールの
「Virgin Mary」(バージン・メアリー)がこれまた好評で、
⑧"ライパチ"は香辛料を抜いた「Vodka&Tomato juice」
(ウオッカ&トマトジュース)に他ならなかった。

⑨トリの"ラストバッター"は「Vodka on the rocks」(ウオッカのロック)。
特筆すべきは、液体のウオッカと氷を飲み干した後に、
やおらグラスまでガリガリと齧って飲んだ客が目の前にいたことだ。

*グラスすなわちガラスを齧って胃袋に入れる光景は、
後にも先にも、このバーカウンターでしか目撃したことはない。
さしずめ「Vodka&Wallbanger」と敬意をもって称したい。





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