2012/07/14

広告のある光景4 (July 14, 2012)

被災地に足繁く通っている身として、言いようのない不快感に
全身が包まれるJR東の広告キャンペーンが再び始まった。
しかも山手線の全車両独占ポスターという、広告ジャックである。

この広告に対する私意見は、第一弾広告が東日本全域をジャックし

昨秋の11/11から14,21,12/7付投稿で異議を申し立てて
きたが、「またか」と「失望」のダブルの念に駆られている。

不通在来線の復興ビジョンを今だに曖昧にしたまま、
ドル箱の新幹線に吸引・疾走させては利潤を加速させる。
そもそも骨身を削って自発的に被災地入り、かつ見返りを求めない
支援が当然、という社会の潮流もどこ吹く風なのか。

このほど、前キャンペーンが業界の恒例行事である広告賞の
2011年度の「準朝日広告賞」を射止めたので、
さらなる拍手喝采で迎えられていることは容易に想像できる。
が、3.11以来、これほど既存価値の転換が問われる中で、
広告ブツの大量消尽に広告業界は今だに浮かれているのだろうか。
誤解を恐れずに言えば、もし自らが被災地の瓦礫の中を歩いていれば、

この広告は出ないものである。出せない絵空事である。
関係者の誰ひとりが、身をもってそういうことをしたとは思えない

東京電力と構図が似通っている親方日の丸の収益企業体・
金満「JR東日本」の東北キャンペーンには、

誰も意義を唱えようとせず、まるで羊のような従順な日本人である

夏のJR「青春18きっぷ」の利用開始日は7月20日、
高すぎて乗れるはずもない新幹線を見遣って、ボンビーの私は、
在来線とバスを乗り継ぎ、東北の沿岸に深く分け入る。

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