北海道の歴史ある胆振エリア。その中枢都市
として名を馳せる炭鉄港・室蘭。かつて18万余
の人口を擁するも、今では7万人台まで減少。
こうした有為転変は室蘭に限らず、地球上には
つきものの現象で、決して驚くには値しない。
個人的に、そういう町ほど訪れてみたくなる
嗜好が働いて、希薄な目的ながら再び室蘭詣に
赴いた。とはいえ持ちタイムは1時間プラス
ほどで、ちょうど昼下がりの気だるい時間帯。
腹時計が緩慢な欠伸をしてゆるり動いている。
(現)室蘭駅から旧室蘭駅まで1kmほどの道のり、
怪我の足腰に難柔しながら、ヨタヨタ歩きだ。
独りハグレ学徒動員のように見えるのか、傍の
車ドライバーの数奇な目線をうなじに感じるも、
いちいち反応も対応もせぬ。荒凡夫の流浪路、
いちいち付き合っていたら、直ぐに日が暮れる。
観光案内所も兼ねる旧室蘭駅舎は、お宝の宝庫。
資料どっさり、展示どっさり!栄枯盛衰の室蘭の
今昔が手にとるように分かる。生来ハナシ好き
のせいか、係員に質問の嵐を浴びせてしまったが、
ガラ~ンとした場に賑わいの空気を醸したかも。
逆順になるが、室蘭の前に、ひと駅手前の母恋
を訪ねた。人気の「青春18きっぷ」のポスターに
なるほどで、鉄道ファンには言わずと知れた駅。
という伝ではなく〜〜昭和初期、北海道の地で
開拓伝道に極貧の身を長くやつした母の遺した
手記を辿りつつ、山々をただ見上げるためである。
ちなみに、母恋 (ヨミ:ぼこい)とは「ホッキ貝が
沢山ある場所」という意味のアイヌ語が語源で、
毎年、母の日には記念入場券が人気を呼んでいる。
余談だが、全国で“母恋”の他に“恋”のつく駅名は
北から“恋し浜”(三陸鉄道)、“恋ヶ窪”(西武鉄道)、
“恋山形”(智頭急行)の4駅で、それぞれ興趣を誘う。
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