函館を緒にして、さ、名寄!よし、旭川!
そうだ室蘭!とばかり、限られた日数で
サイコロの出た目のように移動してきたが、
行き来のよすがは、裕次郎の小樽である。
名は体を表すというが、ま、小さな樽に
収まるようなコンパクトさが、足腰に難を
抱える躯体にはスコブル有り難く、そう、
アゴ・アシ・マクラの一身を小樽に委ねた。
それも、観光客がたなびく“運河エリア”~
“南樽”(南小樽)~“築港”(小樽築港)から外れた、
“稲穂”なる処にポツンと在る簡易宿である。
字面もヨミも飯が腹一杯!食えそうな、そう、
北の大地から国技館へスカウトされる力士*
の卵への勧誘の台詞!に習って、あたかも
犬の卒倒(ワンパターン)のような定宿である。
そうそう、四半世紀前+アルファの20世紀、
身をやつした「桜狩り」でこの地を訪ねて
アゴ・アシ・マクラをとったのも“稲穂”の名
に呼ばれて!だった。以来、「寿司屋通り」
「花園」、「レンガ横丁・ろまん横丁」なる
屋台村界隈は、まあ、指をくわえるだけで、
からきし縁もなく、お呼びさえないまま〜だ。
その稲穂。宿主も代替わりし、「そのムカシ
によく~」とか言いつつ、お初のテイを装い、
お世話になる。連泊の申し出を怠ったので、
2日目は“窓無し部屋”に余儀なく移動となる。
申し訳なさげな代宿主に「あ、網走番外地
の牢屋から出て来たのでまんず天国デ~ス」
と宣い宿主も破顔一笑。代わりに社会の窓は
オープンですから…と言いそうになったが、
グッと飲み込む。是、流浪旅人の心得哉!?
小樽なる町は、与太者に ことのほか優しい。
にわか稲穗ジモティになりきって、赤提灯で
鰊ばかり喰らいつつ、ソロナイトを愉しみ、
稲穗の夜半をほっつき歩く、うらぶれ男一匹。
♪小樽駅「裕次郎ホーム」から「北の旅人」
のメロディーが流れている。去り難し、小樽。
特記:
画像
⑧ 地元民ご贔屓の居酒屋=献立の黒板がいい。
⑨ 厠に飾り付けの朝顔に添えられた言葉がいい。
“ひょつこり咲いて ひょっこり消える彼岸花”
“ひょっこり出合い ひょっこり消えた消えた~”
⑩~酔眼の輩をなだめるような空き地の草花~
けなげに “おはよう”“おやすみ”と挨拶してくれた。
*名寄岩 (25.7.4)
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*北の富士 (25.7.6)
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