2014/04/15

列島の桜は6月まで咲くというのに!

何年か前、東京の桜が散った頃、馴染みの店に人に
「これから西日本の桜を撮りに行くので、

しばしイトマします」と言ったら、
「えっ、もうぜんぶ散っちゃったのに!
まだどこかに桜ってあるんですか??」と、
いとも真顔で言われたことを思い出す。

◎朝刊一面下の有名コラムに、我が目を疑った。
なんと「桜」がすでに終った過去のものとして
扱われているのだ。それは新聞社の本社がある東京という
日本の一地点だけのちっぽけな話であって
(もっといえば23区のソメイヨシノに限って、である)、
筆者の引き出しには日本の地図がないのだろうか!?

この欄を読まれた、桜を心待ちにしている
北国の方がたは苦々しく思われている、
と想像するだけで心がチクチクと痛んでいる。

本州だって東・西の地いかんに関わらず、
標高のある市町村の桜の見ごろはまさにこれからで、
東北では南部を除く多くの地の桜は蕾であり、
北海道では5月の連休中に道南の桜がようやくほころび、
道東の釧路・根室では5月下旬に開花で、
北方領土に近い歯舞や知床などの山間部では6月に咲く。

市井の人のモノ言いなら笑って済まされるが、
頭脳明晰な新聞記者によるコラムが印刷されて
何百万という列島の津々浦々で暮らす人々の目に届く。
「東京あたりでは」という但し書の有無ではない。
どんなに書かれた内容が心に染み入っても、
新聞メディアの信憑性がこうして失われていく、
という問題を超えている気がしてなならない。

◎「東京視線」が日本を動かしている、日本が動いている、
という大いなる誤認識がまかりとおり続けるこの国は、
(いや東京は?)やがて遅かれ早かれ火を見ることだろう。

電子版→http://p.tl/Jrkg





















________________
フェイスブックでも投稿しています
https://www.facebook.com/petekobayashi

0 件のコメント: