実りの秋となって、3度目の訪問である。
被災して沼と化した地が、今では茫々と草が生い茂り、
わずかながら稲らしきものが見えている。
三たび足を運んだ甲斐があって、老齢の持主に会えた。
津波で家も何もかも流された中、わずかに残った耕作地を
護るために、仮設住宅から日々通っているという。
見渡せば、案山子の外れた地に南瓜や茄子などの畑がある。
話を伺うほどに、代々継がれた農地を蘇生する矜持が、
ご不自由であられる身体からほとばしって、案山子の話どころでない。
いとまのお礼を言って、ようやくマネキンの衣裳を伺えば、
角田(内陸の町)の古着屋で安く仕入れて着せただけ、とおっしゃる。
山元町のお百姓さんのド根性と、素敵なエンジェル案山子。
頭の中がぐるぐる回って、宵闇の中を1時間トボトボと歩いた。
坂元駅下車、海岸に向かって徒歩約40分。
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