2013/02/28

鎮魂の町を歩く(vol.17-3) 石巻2「石巻NEWSee」

中州の「マンガッタン・ミューアム」からほど近く
「絆の駅」なる一角に、「石巻NEWSee」という洒落たネームの、
オヤッと思うほど瀟洒な建物が目に入る。
震災直後、手書きの"壁新聞号外"で内外にとみに有名になった
地元新聞社「石巻日々新聞」が営むニュース博物館である。

これまた閉館間際だったが、迷わずドアを押して入館、
オーバータイムにも拘らず、館長がご丁寧にフロアをご案内くださった。
額装・パネル化された「壁新聞」6点が公開されて、
被災直後の石巻市、東松島市、女川町の写真群が胸を打つ。
石巻地域の100年の歩みをたどる年譜、写真、資料も
展示されて、復興に向かう石巻地域の姿が重層的に発信されている。
滞留すること60分。肉眼カメラに焼き付けて、
燭光を放って石巻の町なかの交流・再生を促す拠点を後にした。

ネーミングの「石巻NEWSee」(石巻ニューゼ)とは、
英語の"ニュース"とフランス語で博物館を表す"ミュゼ"の
掛け合わせ言葉とか。萬画館のマンガッタン・ミュージアムといい、
石巻人は、なぜこうもユーモアのセンスがあるのだろう。
宮城県2番目の人口(約15万人)を擁する石巻の復興は、
きっと遠くないことを思わせる「石巻NEWSee」であった。
          
館内は撮影禁止、街頭は暗闇と寒気に包まれて撮影不能。
滞留すること60分。肉眼カメラに焼き付けて、
石巻の町なかの交流・再生を促す拠点を後にした。
          
☆ちなみに投稿画像は、館内にある資料を購入したり、
無料で置かれたもの。1点1点が、マスメディアが報道しない、
かけがえのない3.11の記録であり、証言であり、
いま時間をかけて、あらためてひも解きながら見入っている。
      
冒頭の3点、「壁新聞」に最初に接したのは、
昨春取材したワシントンDCの「Newseum」(ニュージアム)での展示、
あたらめて現地・石巻での邂逅は感慨深いものがある。
尚、小撮影の「ニュージアム」展示画像は、
館長のご依頼で、その場で「石巻NEWSee」に無償提供させていただいた。
どんなふうに展示されているか...次回の訪問も楽しみである。

「使命」と題された日仏2カ国語による小冊子は、
時の論客、池澤夏樹、内田樹の両氏による、
「震災と文字の力」「日本のメディアの病態について」と
タイトルされた貴重な寄稿。3.11以来、巷間にあふれる
震災記事とは一線を画する、考察に満ちた草稿である。








宮城県石巻市中央2丁目8-2 ホシノボックスピア絆の駅内




県石巻市中央2丁目8-2 ホシノボックスピア絆の駅内
■石巻NEWSee
〒986-0822
石巻市中央2-8-2 ホシノボックスピアA棟1B
Tel 0225-98-7323
http://ishinomaki-kizuna-connection.com/new-aboutus.html

*公共交通機関
◯石巻駅から徒歩約10分
◯仙台から石巻までは、
1)仙石線利用の場合、松島海岸ー矢本間が代行バス。
2)東北本線利用の場合、小牛田で石巻線に乗り換え。
 所要時間はどちらも約2時間。820円 
3)仙台から直行するミヤコーバス利用の場合 
 1時間20分 800円
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2013/02/26

鎮魂の町を歩く(vol.17-3) 石巻「石ノ森萬画館」

震災の被害で長らく休館していた、かの「石ノ森萬画館」。
1年半余の時を経て、2012年の11月に再開、
と知って、遅まきながら石巻・中州のご当地へ駆けつける。

ユニークな建造物もだが、何よりも気に入っているのが、
英文表記の愛称「Mangattan Museum」(マンガッタン・ミュージアム)!
ちょうどNYCのマンハッタンに似た地形の中州に
立地するので、マンガをもじってマンガッタン!とは、ギャフン。
恐れ入谷の〜も舌を巻く、石巻センス オブ ヒューモアである。

何よりも再オープンを望んで、喜び勇んだのは、
被災者である石巻市民!ということは容易に想像できる。
辿り着いたのがあいにく閉館間際で、
駆け足でらせん状の階段を目を回してはぐるぐると、
さながらマンハッタン、いやマンガッタン・クルージングであった。

天井まで届くほどの大タペストリーに、
「ガンバレ!石ノ森萬画館」「輝」を囲むように
全国から集まった復興祈念の「寄せ描き」。

かの石ノ森章太郎センセも、天上から見入っているだろう






































*館内展示工事のため、3月22日まで臨時休館しています。

*公共交通機関
◯石巻駅から徒歩約15分
◯仙台から石巻までは、
1)仙石線利用の場合、松島海岸ー矢本間が代行バス。
2)東北本線利用の場合、小牛田で石巻線に乗り換え。
 所要時間はどちらも約2時間。820円 
3)仙台から直行するミヤコーバス利用の場合 
 1時間20分 800円
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2013/02/25

「大人の桜旅」2013が発売されました

桜ファンなら真っ先に手をとる、ムック本、
『大人の桜旅』2013(三栄書房)が発売になりました。

「日本の桜名所&名桜700景」を徹底紹介する、
オール桜、桜、桜の豪華な全162ページ。
見るだけで春をギュッとつかんだ気分になれます。

列島のアチラコチラから"春一番"が聞こえはじめるころ、
さあ、一足先に誌上de花見といきましょうか。

























*小桜写真も10点ほど掲出されていますが、
↓これは夜桜のページの一部となります。














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2013/02/20

鎮魂の町を歩く(vol.17-2) サン・ファン・バウティスタ号

大津波の直撃に遭いながらも、奇跡的に残った
慶長遣欧使節の復元帆船「サン・ファン・バウティスタ」号。

1613年(慶長18年)、台藩主伊達政宗公の命を受け渡欧した
支倉常長らの使節団の一行が乗った帆船が気になって、
係留展示するミュージアム「サン・ファン館」まで赴いた。
休館中と聞いてはいたが、一目でも帆船を見たく、
石巻駅前から、いつもお世話になるミヤコーバスに飛び乗る。
乗客は、風来坊の私ただ1人だったが、
運転手はけげんな顔ひとつせず、黙々と点呼しながら、
瓦礫の残る沿岸を牡鹿半島へとガタゴトと走る。
およそ30分、人っ子1人いない「サン・ファン館」前に、
しずごころなく停車、まずはホッとする。

世界の海の荒波をも越えてきた、かの木造洋式帆船。
その構造もさることながら、船の先を海に向けていたのも幸いし、
大きな被害はマストが折れただけだった...とか。
何とかできた撮影は、帆船を見下ろす1カ所のみだったが、
遥かなる歴史に想いを馳せたひとときだった。



















今年2013年は、慶長使節出帆400年にあたる。
「サン・ファン館」は、今秋に再オープンの予定という。
その折には、再び足を運んでみたい。

*公共交通機関
◯石巻駅前から、土日祝のみ運行する「ミヤコーバス」で
約30分、サンファンパーク下車すぐ。料金650円
◯仙台ー石巻
1)仙石線利用の場合、松島海岸ー矢本間が代行バス。
2)東北本線利用の場合、小牛田で石巻線に乗り換え。
 所要時間はどちらも約2時間。820円 
3)仙台から直行するミヤコーバス利用の場合 
 1時間20分 800円
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2013/02/13

高校野球グラフィティー①「輝け甲子園の星」

スプリング ハズ カム...!
桜のニュースとともに、球春がやってきた。

高校野球のイマを伝える雑誌『輝け甲子園の星』。
連載2回目となる「ピート小林の高校野球グラフィティー」
と題したコラムを、発売中の3月号に寄せています。

テーマは、昨12/31付欄で取り上げた松井秀喜選手。
「ゼニトルマンである前にゼントルマン」なる、
駄洒落たタイトルですが、内容はいたってマジメなエピソードで、
垣間見た松井選手のパーソナルな部分に触れています。

第85回センバツ高校野球記念大会 出場36校・
全648選手のダイヤモンド名鑑/徹底360度大研究の特集号。
松井選手ファンならずも、高校野球に関心のある方は
ぜひお近くの本屋さんでお手にとってご覧ください。

















































★甲子園―ジャパニーズドリーム!
もっと見る→http://p.tl/1bXc ピート小林と歩く「こころの日本遺産」 (日刊スポーツ・アーカイブ)

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2013/02/12

スプリング ハズ...「旅の手帖」3月号発売[桜の車窓&駅]

旅好きなら毎号チェックしている『旅の手帖』。
3月号の特集「達人と行く鉄道旅」の中で、
"桜の車窓&駅"が見開きの2ページで編まれています。

立春から1週間、そろそろ熱海桜が満開に近づいて、
河津桜もチラホラ咲きはじめた早春賦の季節。
鉄道好きなら外せない、さらに桜好きなら見逃せない、
春の息吹いっぱいの旅ガイドになるでしょう。

安くて近くておいしい!「駅前ご当地グルメ」、
地元の達人が教える「ローカル線の旅」、
さらには、「おトクなきっぷ」も盛り沢山に紹介。
スプリング ハズ カム、春を呼び込む一冊です。
































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2013/02/11

こころの日本遺産「平凡の非凡、日の丸」(February11, 2013)


「日の丸と写真」には浅からぬ縁がある。
国旗の真ん中に"日の丸"が座っているように、
ヒトの顔を写真の真ん中に入れると頭上が空っぽ状態に
なってしまう。これを「日の丸写真」を称して、
およそツマラナイ失敗写真の代名詞と呼ばれている。

どんな写真の大センセイが名付けたか知らないが、
「日の丸」を失敗写真の揶揄に使うのは、
ナルホド感より日本人としてデリカシーの欠如を感じて、
身体のどこかでずっと引っ掛かってきている。

写真天国ニッポンで、長らくまかり通っているネーミングの
ホームラン、ならぬ大失策とも思っているので、
反旗をひるがえし、積極的前向きに"日の丸写真"そのものを
撮っている。正確に言えば「日の丸」と「写真」の間に
"の"の字を入れた、「日の丸の写真」であるけれど。

少年のころ、貴重な白いご飯の真ん中に赤い梅干しが
のった「日の丸」弁当は平凡なごちそうだった。
そんな時代、祝日の家々には鮮やかな日の丸の旗が掲げられ、
風にはためいているのが日常の光景だった。
が、哀しいかな、旗日の祝日でも、いま日の丸を掲げる民家は
めっぽう少ない。それに符丁?して、日の丸弁当も消えかけている。

それでも、列島のそこかしこで、多くは名もない町村だが、
日の丸が正々堂々とひるがえっている姿を見かけると、
アクビをしていたカメラがにわかに起立して、日の丸が真ん中に
来ようと来まいと、早く私に「日の丸写真」を撮らせて!といななく。

・・・「日の丸」だけが持つシンプルさ・潔さは、
平凡の非凡である。意匠を超えての人性の鑑と言ってもいい。
あるアメリカ人のブロガーによる世界216カ国の国旗デザイン・
ランキングによるとーー日本の国旗・日の丸は、
ソマリア、パキスタンに次いで3位に挙げられている。
白地の中央に赤い正丸のみは、海を越えて審美眼を射るのだろう。

今日2月11日は「建国記念の日」。
ふと童心に帰って、口ずさんでみたくなった。

♪白地に赤く 
日の丸染めて 
ああ美しい 
日本の旗は

(明治44年制定 文部省唱歌)






















































ピート小林と歩く「こころの日本遺産」日の丸
http://p.tl/Y0m4 
(日刊スポーツ・アーカイブ)

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