2022/10/25

アートだって…案山子はカカシ。越後妻有

列島の田んぼや畑に案山子がいなけりゃ、

ゲージツだろうが会いに行くしかない。

ウトウトとイソイソと始発で向かったのは、

「越後妻有 アート トリエンナーレ」。


そう、知る人ぞ知る「大地の芸術祭」だ。

在来線を乗り継いで越後湯沢から乗合バスに

揺られること数十分。東田尻なるバス停

裏っ原の茫々とした畑に案山子がいるいる!


案山子というより、スケアクロウの案配。

てんでのイデタチというより鹿の子模様なる

ワンパターンの板棒による案山子たちが

点、点と方々に点在しているではないか!

表・裏なぞまるでお構いなしなのがご愛嬌。


いったいに畑の案山子は、スズメならぬ

鹿・サル・猪・ハクビシンなどの獣たちを

威嚇して追い払うものだが、このテリトリー

では獣の匂いさえ嗅ぐことなぞは出来ず。

さぞかし効果アリ!と見たり、てなことは、

アート作品に決して言うまじ、言うまじ。


撮影:30分。往路:7.5時間/復路:8時間。

前日の上州・中之条~上野原草津口~万座

鹿沢口への遠征は100%オケラだっただけに、

アートだろうと案山子をゲットできた幸。


道中、バス車窓に一瞬見えた稲穂の畝る美。

天下の穀倉地帯・越後の余裕の姿か否か。









































































大地の芸術祭

「越後妻有アートトリエンナーレ」

https://www.echigo-tsumari.jp













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『カカシバイブル』(東京書籍・2009年) 

全国の案山子、161体ほどが載っています

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2022/10/16

彩の国ノとびきりの案山子たち

((案山子ハンティングでのオケラ投稿は、

前稿(10/9)に留め戦果を得た時のみ

限定。何ごとも成果主義の世だからね))


県民以外はもとより、県民にもほとんど

知られていないのだが、「彩の国」埼玉は、

案山子(かかし)の集積する知られざる地。

とりわけ県央の入間郡と比企郡エリアは、

“案山子銀座”と呼べる案山子のスポットだ。


20年近く前だったか、案山子との予期せぬ

遭遇から案山子に首ったけ!になるや、

秋の日なが一日、越生~都幾川の地に通う。

“ソロでゆく日帰り案山子ツアー”である。


が、その“カカシギンザ”に案山子がいない!

越生・弘法山下のバス停からイソイソと

辿り着くと何とモヌケのカラなのだ(画像①)。

一瞬、ドッと落ち込みかけたが、そりゃ

自分勝手!と上空からカラスがカァカァと

あざ笑うように啼いている。待てよ、長らく

案山子を立ててきた田んぼの持ち主にも

伺い知れぬ事情がある。もとより見つかる

保障も無き案山子ハント。それに絶滅の危惧

にある案山子は存在することさえ稀なのだ。


都幾川の田んぼの途。豆だらけの重い足を

スタコラ引きずり「ぽっぽの木*」を訪ねるや、

モッタイナイほどの歓待を受けてショックも

たちどころに霧散。お手植えの田んぼでは

案山子らがてんでに思い思いのイデタチで

彩の国の瑞々しい空気を嬉しげに吸っていた。
























(↑「ぽっぽの木」でお出迎えくださった案山子)











































































































































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『カカシバイブル』(東京書籍・2009年) 

全国の案山子、161体ほどが載っています

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*公共交通機関

JR八高線/東武東上線・越生駅などから、

ときがわ町路線バスで瀬戸下車、徒歩約30分

バス時刻表

http://www.new-wing.co.jp/rosen/tokigawa/index.html

(イーグルバス都幾川 Tel 0493-65-3900)


*オルゴールが聴けるカフェ「ぽっぽの木」

案山子スポットへの道すがらにあります。

Tel 0493-65-4978 (木~日曜オープン)

https://www.ayusrei.com/看板/オーガニックカフェ-ぽっぽの木/


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2022/10/09

オケラ?と稲穂の幸、信濃・姨捨の案山子

列島をアテもなく右往左往して、20年余、

なあに、案山子(かかし)を探してである。


そろそろ原点に戻るかな、とポイントを

信州は北アルプス・安曇野エリアに定めた。

松本をベースに大糸線で北上、篠ノ井線で

東進するもバッテン、か・か・案山子が

目を皿にして探すも、い・い・いない。


マイ・デンワカメラは…いなないている。

撫でたりなだめすかしつゝ、シンブンガミの

スポーツ面でも!と捲っていると、おや、

『ドロシーの夢を見ている捨案山子』なる

俳句がやんわりと目を射る。ん〜、田んぼ

だけじゃない!ありがとう——我に返り、

捨てられた案山子を漁ってアチコチの道端、

ゴミ捨て場へ目まで汗かきかきスタコラ。


戦果のほどは…言うまでもない。たゞ20年

越しの案山子撮影にオケラのままで帰れん!

滴る汗に奮い立ち、よっしゃ!と居直る。

「なあ~に天下の姨捨の案山子がある」と

全国に名を馳せる棚田・姨捨(おばすて)へ

スタコラと重い足を引きずって辿り着く。


高い空、降り注ぐ信州の陽射しがまばゆい。

目を下ろすと、ご夫人が赤子をあやしながら、

まどろんでいる。まるで信濃の国のおとぎ

話のよう。さっきまでの徒労がウソのように

消え去り、まどろみと平安の中に包まれた。


名月の里・姨捨でも案山子は見つからず。

不意に出逢った情景の高揚感に包まれながら、

ポッケの中、唯一の昼メシ用の握り飯を

棚田にそおっと置いて、瑞穂の国でかくも

平和に日々のご飯をいただける幸を想った。




































































































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『カカシバイブル』(東京書籍・2009年) 

全国の案山子、161体ほどが載っています


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