百年前のテキスト「A B C」に学ぶ

スケアクロウだ、ユニオンフラッグだ、なんて

案山子ワールドにひねもす浸りきって、ふと我に返ると、

古色蒼然たる本がタンボールから顔を出している。

「A B C」。いつだったか、青空古本市で求めたものだ。

奥付には大正六年四月一日発行とあるので、

西暦では1917年だから、およそ100年前。

発行は研究社。よくお世話になった辞書の老舗である。

頁を繰ると、丁寧な説明と豊富な図版やらが並んで、

英語ワールドへの水先案内人というか、

英語への扉をオープンに分かりやすく示している。

中でも、「たった二十六文字」と題された章がいい。

さっそく冒頭の部分を引いてみる...。

　「日本の仮名はアイウエオ等の片仮名が五十字、

それに濁音といふガギグゲゴ等が二十字と半濁音といふ

バビブベボ五字と申して、普通四十八字もあるのです。

他に変体仮名といふ難しい平仮名もあります。

　漢字は「松」「竹」「梅」「鶴」「亀」など随分澤山......

大きな漢字引を見ますと其数十萬以上もあります。

ところが英字はと申すとこれはまた少いのに驚きます。

たった二十六文字......それに大字と申すのと、小字と申すのと

二種類あって、合計しても僅か五十二字しかないのです。」

(以下、略)」

翻って、巷には英語の看板やら英会話スクールやらが氾濫、

お腹いっぱいで、およそ目が回るというのに、

私たちの英語なるものは、まあ、一向に進歩しない。

「A B C」。なんとシンプルで明解なことか。

イマの時代のABCにツマったら、ムカシのABCに立ち返る。

ムカシの人は偉かった。温故知新、かしらんね。

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ユニオンフラッグのお江戸新橋

案山子の国から帰来して、♪お江戸日本橋〜ならぬ、

新橋に出たら、着ぐるみ「ユニオンフラッグ」という、

案山子人間ならぬ国旗人間にヌウと出くわした。

一瞬、ロンドンの広場にワープ？と頬をつねってしまった。

秋冷の週末、寒いだろうに...と近寄ってみれば、

ツギハギの一枚布にあらず、立派なダウンジャケットの仕立て。

案山子みたいに"着たきり雀"の我輩より、よほど暖かそう。

我に返って朝刊の「RANKING*」なるコーナーに目を留めれば、

符丁を合わせた？ように、この英国旗が1位に輝いている。

何でもアンケート回答の4割以上を占めるというから、

同胞のユニオンフラッグ(ジャック)人気ぶりを物語っている。

（*朝日新聞別刷り「be」10/26付「日の丸」は対象外）

よく見ると左右がシンメトリーでない英国旗。

眺めていたら、かつて撮影の仕事で頻繁に行き来していた

倫敦やイギリスの街角が懐かしく込み上げてくる。

こんど訪れるのは、いつの日だろうか。

ちなみに、私の一番好きな国旗デザインは、

装飾のないシンプルの極みである「日の丸」である。

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因幡の案山子写真館のおもてなし

そぼ降る雨の中、寝不足の眠い目をこすって、

羊が1匹、2匹...もとい案山子が1体、2体...と数えてたら、

目も醒めるような美白のおばあちゃま？が、

この朴念仁に、頬笑みを投げて手招きしておられる。

ン度目の成人式を迎えられた因幡の白兎！ご婦人。

さぞ麗しい人生行路を歩まれ、今では案山子になられて、

ご自身のお若りしころの御姿を背景写真で、

魅せてくださる設えに、ダブルで感じ入ってしまった。

ウインドーに目を泳がすと、正装の人間が、

案山子の姿になって、記念撮影にイソイソと臨んでいる。

ガラス越しに目をしばたいていると、

店主が現れて、裏手のスタジオをご案内くださり、

案山子をつくられた奥方が迎えてくださる。

飛び入りのカカシスト、いや案山子ストーカー、

見るだけでなく撮るしかない。いそいそとズタ袋から、

安モノ銀塩一眼を取り出して、激写させていただく。

すわっ、案山子の写真館！？と思いきや、

案山子愛にあふれた、それは立派な町の写真館。

しばたいていた目は直ちに丸くなっていた。

さすがは「世界かかしサミット」の因幡国・八頭、

さりげなく町角に棲息する案山子たち。

サプライズに満ちた飛び切りのおもてなしよ。

ほんのもう2~3分でも下僕に余裕があったなら、

きっと案山子の麗しいお話を伺えたのに・・・

人生はいつだって、ちょっと時間がないのだ。

思いもせぬ僥倖と後ろ髪と...ほど近い駅までの道すがら、

地元児童の描いた「かかしMAP」が目に沁み入って、

因幡の白兎ならぬ、因幡の案山子と唱えていた。

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「若桜鉄道」は案山子レイルウエイ！

Get the most of it！ースケアクロウ・サミットで、

はるばる鳥取・八頭まで来たのだから、

このチャンスを最大限に活かさなくては！の一念で、

気が付けば若桜鉄道*に飛び乗っていた。

「青春18きっぷ」の秋バージョン「秋の乗り放題きっぷ」を
しゃぶり尽くすような鈍行列車のロングラン旅路。

前泊した津山で3時半起き、因美線の始発でひたすら北進、

津山→智頭→郡家→鳥取→郡家*→若桜*→郡家*、

というルートで、朝ランのように案山子を探しまくる。

鉄道ファンなら誰もが知っている「若桜鉄道」。

20km足らずのローカル線の駅という駅に

スケアクロウの案山子が人間の姿でポーズをとっている。

因幡船岡、隼、安部、八頭、徳丸、丹比、若桜、

まるで昭和にタイムスリップしたような光景に目が潤んだ。

撮影は、折り返し地点の若桜駅を除いて、

列車の窓越しと停車中の寸時しかチャンスはない。

サミット前と、そしてサミット後の90分、

単純Uターン往復×2回。往路と復路で都合4チャンス！

それでも、この程度の写真が精一杯だった。

ゴメンね、ホームの案山子くん。勇姿を撮れなくて。

スマホ(アイフォン4S)のせいじゃないんだよ。

Next year, next year...I'll get the most of it.
来春の桜シーズンにも、きっときっと居てね。

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「スケアクロウたちのサミット」 in 八頭

先日、ちょこら顔を出したNHKの「おはよう日本」で、

(ご視聴、ありがとうございました！)

「世界かかしサミットin八頭」があると知って、
チラシを握りしめて八頭までノコノコ出かけてみた。

「八頭」といっても、どこ？なに？地名なの？と、

まあ疑問符が3ツはつくほど、狭いようで広〜い日本だが、

ヨミは「やず」。決して"はっとう"とか"やつがしら"

などとは現地では呼ばない、のであった。

下僕の場合は、高校野球で甲子園に出場した八頭高校を

見聞きしていたので、ま、セーフだったけど。

その八頭町は、鳥取のイースト、つまり東部にあって、

町の中央公民館に、世界から八体ならぬ、

数えるを途中でやめたぐらいの案山子がお出ましになって、

主催者の発表では、なんと12カ国、16団体が集結。

韓国、中国、モンゴル、タイ、マレーシア、ベトナム、ラオス、

モロッコ、エジプト、インドネシア、ハンガリー、ロシア(順不同)。

そしてホスト国の日本からも3団体がお迎えして、

会場は熱気ムンムン、八頭町マルシェの来場者も含めて

何と2,500名もの老若男女が、スケアクロウ・ワールドと戯れた。

投票によるコンテストが行われて、優勝は韓国。

そういえば、今までに海外のスケアクロウで見かけたのは、

唯一、韓国の田園だったので、フムフムの思いなり。

日本の案山子たちも、はるばる賓客のゲストを迎えて、

破顔一笑、うれしそうに交流していたので、

案山子たちのフェイスブックが生まれる！かもしれない。

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◉案山子 本日朝 テレビ放映のお知らせ (予定)

前投稿のように、本日18日(金)の朝、NHK「おはよう日本」の

小コーナー「けさの知りたい」で案山子がフューチャーされます。

(全国ネット・7時30分頃から～5分間ほどです)

世界の珍しい案山子が紹介され、また「丸森かかし街道」をゆく

カカシニスト(小生)も後半でちょこっと現れる予定です。

お目覚めの方は、よろしかったらぜひご笑覧ください。

(※報道番組のため、延期・中止の場合は悪しからずご容赦ください)

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尚、本日18日(金)、ピート小林は取材のため休みとなります)