2013/06/28

1970's at The Ben Jonson, San Francisco ⑥

Rumベースの「Mojito*」(モヒート)人気は、
一過性のブームを超えて続いているが、
今は昔の1970年代、まだモヒートは登場せずだった。

男の夢と海の匂いがするRum(ラム)は、
タイプも多彩で、人間に喩えれば多芸多才というべきか。
風味によって、ライト、ミディアム、ヘビー、
色によって、ホワイト(シルバー)、ゴールド、ダーク、
といった具合に、それぞれ3タイプに分類される。

そんなラム・ベースのカクテルといえば、
ご存知、ショート・カクテルの「Daiquiri」(ダイキリ)と、
「フローズン・ダイキリ」がゆるぎなき両雄だが、
昼な夜なに流行った「Mai Tai*」(マイタイ)と
「Planters' Punch」(プランターズ・パンチ)を忘れ得ない。

シルバー・ラムのBacardiとダーク・ラムのMyers's 、
そしてデメラマ・ラムのLemon Hartの3銘酒と
多様のジュース類で設える彩りも豊かな一杯のグラスが、
70年代のサンフランシスコをカリブ色に染め上げた。

*掲載の写真は、制作・編集にあたった
「THE SUNTORY COCKTAIL BOOK」 より













































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*東京で2番目に美味しいと評判の「モヒート」をぜひどうぞ

2013/06/27

1970's at The Ben Jonson, San Francisco ⑤

「ベースをGinにするかVodkaにするか、それが問題だ」
とはハムレット王子も言いそびれた名言だが、
洋の東西を問わず、酒好きはいつだって両者の選択を迷うもの。

Ginと並ぶスピリッツの代表格・Vodka(ウオッカ)は、
基本的に無色透明、無味、無臭なので、
いきおいカクテルづくりのベースとして大活躍する。

1970年代、一世を風靡したThe Ben Jonsonのバーカウンターで、
ウオッカ・マティーニとウオッカ・ギムレットが
ウオッカ・チーム①②番打者の指名を日替わりで争うとすれば、
③番バッターは「Bloody Mary」(ブラディー・メアリー)だった。

誕生に諸説が伝えられるように「レシピ」も様々だが、
我が「スクラップ帖」の落書きに目を落とすと、
アセント、セロリーソールト、シーズン・ペパー、
ウースターシア・ソースetcの香辛料をトマトジュースに加えて、
仕上げにセロリ・スティックを添えるのが流儀だった。

ご当地サンフランシスコは野球も盛んな地だったので、
戯れに"クリーンアップ"にかけて続けてみると、
④トマトジュースの代わりにClamato(トマトジュース+蛤のエキス入り)
を使った「Bloody Caesar」(ブラディー・シーザー)、
⑤ビーフ・ブイヨンを加えた「Bloody Bull」(ブラディー・ブル)と続く。

さらには、
⑥トマトジュースを省いてウオッカ+ビーフ・ブイヨンの
「Bull Shot」(ブル・ショット)も好まれて
⑦ベースのウオッカを抜いたノンアルコールの
「Virgin Mary」(バージン・メアリー)がこれまた好評で、
⑧"ライパチ"は香辛料を抜いた「Vodka&Tomato juice」
(ウオッカ&トマトジュース)に他ならなかった。

⑨トリの"ラストバッター"は「Vodka on the rocks」(ウオッカのロック)。
特筆すべきは、液体のウオッカと氷を飲み干した後に、
やおらグラスまでガリガリと齧って飲んだ客が目の前にいたことだ。

*グラスすなわちガラスを齧って胃袋に入れる光景は、
後にも先にも、このバーカウンターでしか目撃したことはない。
さしずめ「Vodka&Wallbanger」と敬意をもって称したい。





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2013/06/26

1970's at The Ben Jonson, San Francisco ④

ジンのお後は、Vermouth(ベルモット)ラベルのお出まし。

ドライ(辛口)な白のNoilly Prat(ノイリー・プラ(ット)・仏)と、
スイート(甘口)な赤のMartini&Rossi(マルティーに・ロッシ・伊)が
世界的な銘柄なのだが、なぜか日本ではCinzano(チンザノ)の
知名度が異様に高くて、ベルモットの代名詞みたいになっている。

この白と赤のVermouthをロックグラスに均等に注いで、
ツイスト・レモンを入れて飲むのが、大の気に入りだった。
異郷の地にあって、子どもの頃の玉入れを思い出し、
また白・赤半分なのが、きっと日の丸みたいで好きだったのだろう。

その名は「Perfect Vermouth」(パーフェクト・バムース)。
マティーニなどに代わる食前酒として、ことにレディに人気だった。

日本では「ハーフ・アンド・ハーフ」と言えば通じるみたいだが、
あのラガーと黒ビールの半々割りが出て来たりもする。

もしCassis(カシス)好きなら、カシスと白ベルモットと半々で割る
「Vermouth Cassis」をぜひ。ツイスト・レモンもお忘れなく。

さて、ベルモットといえば、マティーニとマンハッタン。
ことにマティーニはカクテルの王道であり、様々な読本をはじめ、
レシピと逸話とウンチクには事欠かず、今夜もあまたの
バー・カウンターでマティーニをめぐる光景が見られるはずだ。
でも、ひとつ。"口マティーニ"だけにはなりませんように。





























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2013/06/25

「熱すぎないか高校野球」に見る甲子園今昔

世に「桜嫌い」がいるように、「高校野球嫌い」もいる。

ということとはまったく脈絡もないのだが、
「熱すぎないか高校野球」と題されたオピニオン記事が、
今朝の新聞の中面を飾っている。(6/25付朝日本社版)
一瞬オヤッ?と感じたが、とうとう来たかと思った。

登場の御三方のうち、ノンフィクション作家である
軍司貞則氏の談は、「高校野球『裏』ビジネス」を著しているだけに、
的を得ているだけでなく、痛快無比さがあった。
「いっそ甲子園大会を一度やめてはどうか」という提言には
驚きを覚えたが、状況はそこまで来ているのだ。

いささか慌てて、もっとも夢中になっていた70〜80年代は
どうだったのかなと思い、当時のスクラップ帖を取り出してみる。

好球必打。爽やかで牧歌的な版画が貼られ、黄ばんだ表紙には
第62回・1980年とある。今から33年前のことだ。
中を繰れば、モノクロ・ベタ焼きやら熱い写真!が貼ってある。
この夏は、愛甲投手を擁する横浜が荒木投手の早実を下して
初優勝を遂げた年...数々のシーンが走馬灯のように蘇る。

さて、表題にかえって...時代がどんなに進もうとも、
連綿と続いてきた選手権大会95年の歴史を無駄にすることなく、
いま改めて、先人の慧眼をひもとくことだろう。
「高校野球が冷めすぎないように」祈るのみである。

































☆『輝け甲子園の星』7月号 好評発売中
http://ai.nikkansports.com/archives/2013/06/post_71.html

★甲子園―ジャパニーズドリーム!
もっと見る→http://p.tl/1bXc ピート小林と歩く「こころの日本遺産」 (日刊スポーツ・アーカイブ)
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2013/06/24

高校野球グラフィティー③「輝け甲子園の星」夏の展望号

地区大会が火ぶたを切って、夏の甲子園がやってくる。

夏の展望号としてタイミングよく発売された
雑誌『輝け甲子園の星』(日刊スポーツ出版社)7月号に、
「ピート小林の高校野球グラフィティー③」
と題したエッセイのようなコラムを寄せています。

テーマは、地区予選への応援歌というべきもので、
「高校グラウンドのバックネットに架かる
横断幕に見る甲子園の頂き...」といった内容です。

さあ、95回目となる今夏は、5年ごとの記念大会。
注目の選手の徹底ワイド特集のみならず、
頑張る我が子へエールを送る球児のお母さんが登場したり...
イマの球児の生活が手にとるようにわかる、
高校野球界のバイブル的マガジン『輝け甲子園の星』。

ぜひお近くの本屋さんでお手にとってご覧ください。















































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