2012/07/25

鎮魂の町を歩く(vol.12)-1夏の「青春18きっぷ」

「18きっぷ」でゆく在来線。昼は車窓にうつろう景色を眺めて、
日没後は、ワンカップ片手に地元のシンブンガミの隅々まで目を通す。
それに、高校野球の地方大会の詳報が知りたくて、

スポーツ紙が加わるのだが、この日はイチロー一色だった。
大リーグに渡った日本人選手の一挙一動も目が離せないタチなので
イチローもその1人だが...ここではコメントを控える。

本日のルート:仙台→(常磐線)→亘理→(代行バス)→相馬

(松川浦地区を車窓取材)→(代行バス)→亘理→(常磐線)→岩沼
→(以下、東北本線)→白石→郡山→黒磯→宇都宮→上野...
かように首都圏と仙台の間を往来するのに、好きだった常磐線が
今やほとんど使えない。ちなみに東北本線を利用しての

相馬ー上野の所要時間は約8時間30分。(岩沼経由)



2012/07/24

アーサー・ホーランド2012「日本列島縦断十字架行進」11/ WALK ACROSS JAPAN

「アーサー・ホーランド熱中症」に注意(w)

「黙して語らず」とは本人のセリフだが、それは独り行進の時で、
行進中に浴びせられる質問・愚問から悩みの打ち明けまで、

嫌な顔ひとつせず懇切丁寧に真摯に応える、アーサー・ホーランド

行進しながら、ひとつ、素朴な質問を投げかけてみた。

Q 東北は沿岸の被災地でなく、なぜ内陸を行進するのですか。

A 日本列島縦断は約3700km。これ見よがしに沿岸を歩くより、
 最短ルートの内陸コースをとるのが必然でしょう。
 

これまで30年の間、"こころの被災者"に語ってきていて...
 年間3万人を超す自殺者数を見るまでもなく、
 

この日本の津々浦々に、こころの被災者があまねくいるんです...。

先ごろ、大崎市のジャズ喫茶「トーサ」でトークの夕べがあったが
これは石巻の被災者の方々が急きょ仕込んだもの。
37km行進後のほとばしるトークに、被災地はもとより、
みちのく広地域から駆けつけた老若男女の顔が輝いて見えた。


さて、今日の行進は、岩手・柴波あたりから盛岡にかけてだろうか



アーサー語録 (ブログより) 『 痛みは敵でなない。味方と思えばいい 』 ★行進の様子は、毎日更新されるフェイスブック/ブログを、 行進スケジュール日程は公式サイトをご参照ください。 フェイスブック→http://www.facebook.com/arthuerhollands ブログ→http://blog.arthur-hollands.com/ 公式サイト→http://arthur-hollands.com/

2012/07/23

アーサー・ホーランド2012「日本列島縦断十字架行進」10/ WALK ACROSS JAPAN













倫敦オリンピックの入場行進と時を同じくして
もうひとつの行進が列島を北上している。

というわけで()、アーサーの列島縦断行進に3たび参加した。
軟弱な己に活を入れるため、被災地取材から急きょの合流である。

宮城県柴田町槻木をスタート、国道4号線を9時間余ひたすら北上、
夕暮の仙台市泉区富ヶ谷でフィニッシュ。約37kmの行程を完歩した。
アーサーの歩行スピードはブレることなく時速5km
雨の染み込んだ40kgはあろうかいう十字架を背負って、である。

レスリングや柔道で、五輪はおろか全米チャンピオンに2回輝いた、
"ますらお"だから成せる沖縄から宗谷岬までの列島縦断行進。
五輪などでの栄誉は、すべて脱ぎ去っているのだろう、
"アルキメンデス"よろしく行進中にシームレスで続く会話の応酬は、
すこぶる中身の濃いもので、どれだけ活を得られたことか。

歩くトークライブに共振。酔いしれながら、ふと我に返れば、
汗だくの身に杜の都・仙台の広瀬川を渡る風は心地よく、
あっという間に仙台の中心街を駆け抜けて、泉区に入っている。
瓦礫の中の流浪路からアスファルトへ。靴下ナシの我が素足を包んだ
ナイキ・コルテッツの底面は擦り減って、悲鳴を上げていた。
足指のマメは...37km完歩の勲章?否、アーサーの足元にも及ばない。

☆折しも震災の復興がらみで「東北観光」が叫ばれているご時勢、
たんなる美食・物見遊山だけの観光をするよりも、
瞬時でもアーサーの行進を共有したら、きっと思い出深い夏となる。

アーサーの語録 (ブログより)
生きること、そのこと自体が、芸術なのだ

★行進の様子は、毎日更新されるフェイスブック/ブログを、
行進スケジュール日程は公式サイトをご参照ください。

公式サイト→http://arthur-hollands.com/








2012/07/21

アーサー・ホーランド2012「日本列島縦断十字架行進」9/ 7/21「LIVE TALK SHOW」@いわきアリオス・ミニレポート

「いわき災害復興ゴスペルイベント」
〜Love Revolution REVIVE IWAKI 2〜

と銘打たれたイベントのメイン・メッセンジャーとして登場。
いわき芸術文化交流館ホールに、魂を揺さぶるアーサー節が炸裂した。

浪速のブルックリンと言われる大阪・西成ドヤ街生まれの男から

機関銃のごとく放たれるコトバは、文才のない余には描写しきれない。
辛うじて再現できるのは、親鸞、良寛、漱石、一茶をはじめ、
ダライラマ、ミケランジェロ、チェ・ゲバラ、タゴール、
坂本龍馬、岡倉天心...と洋の東西を問わず遡上に載った名言で
その数は図り知れず。教養のない私なぞは、まるで中学校の嫌いな
授業に戻ったようで、終始うつむき加減で顔を上げられず。

2万人弱という震災で犠牲になった方々はもとより、

年間3万人の自殺者と、その10倍もの自殺未遂者を生み続ける、
日本への憂慮と愛は並大抵でなく、それがズキリと痛い。

借りものでない言葉。歯に衣を着せない言葉。

アーサー・ホーランド。こんな熱い男、見たことも聞いたこともない。

*東京での月1のライブトークは、8/7(火)、9/4(火)...と続く。
「北帰行」の列島縦断十字架行進路からトンボ帰りしての
ステージとなる。お時間のある方は、暑気払いがてらに、ぜひ。
@LiveCafe弁天→http://www.benten55.com/top.htm



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鎮魂の町を歩く(vol.12)-2 いわき市勿来

福島県内で唯一、今夏、海開きした勿来海水浴場。
福島第1原発から約65kmの茨城県境に位置、
海水の放射性物質濃度は1リットルあたり1ベクレル以下で、

空間線量も問題ないとしながら、津波などの避難路確保のために、
砂浜に海の家や売店などは置かれていない。


厚い雲がまだ残るこの朝、子ども達の姿は見えなかった。

晴天だった16日の海の日、「海開き」にはテープカットの後、
地元観光ガイドの女性3人による初泳ぎのほか、
ラガールのダンスやビーチバレー選手の催しもあったと聞くが、
この日は無人の浜辺、単に天候のせいと思いたい。
勿来海水浴場のオープンは8月12日までとされている。

(写真は遊泳禁止の地域です)

Today's Shot (July 21, 2012) 夏の「青春18きっぷ」

夏のJR「青春18きっぷ」が封切りになった。 9/10までの間、全国の普通・快速列車が5日間乗り放題で11,500円。 チケットショップで入手したのは言うまでもない。(150円オフ) 年齢制限ナシはもちろん、人相の制限もナイのが有り難く、 旅の虫である荒凡夫のご用達となって、久しい。 食わず嫌いなのか、旅といえばヒコーキかシンカンセンばかりで、 この長方形の切符にご縁のない方のために、2粒ほどの愛を。 ♡この一枚のキップの1日分(2,300円)で、例えば東京起点なら、 西は福岡・久留米まで、東は北海道・函館まで行けます。 (かく言う輩は、本日の始発(4:35)で福島・浜通りへ出発進行! あとは風にまかせて、トンビのように東奔西走イタシマス) ♡18きっぷの裏面に透かしで入る(という噂はない) 西洋の箴言: 「青春とは、人生のある期間でなく、こころの持ち方を言う。 逞しい意志、燃える情熱。人は理想を失うとき初めて老いる...」            (1922/幻の詩人サムエル・ウルマン)



2012/07/20

鎮魂の町を歩く(vol.11)-11気仙沼線代行バス


JR東日本は、重い腰を上げて気仙沼線の不通区間・気仙沼ー柳津に 8/20からようやく代行バス(注*)を走らせると発表した。 震災から1年5ヶ月、間引き運転の代替路線バスで不便していた 地元民には遅すぎる措置だが、中でも、すし詰め状態の "通学難民"を強いられてきた高校生には、まさに「渡りにバス」。 震災以来、長らく代替バスで我慢してきた高校生は、 気仙沼、気仙沼西、気仙沼向洋の三校合わせて、300人余。 ダイヤも増発される夏休み明けのバス車内には、 久しぶりに、元気いっぱいの黄色い声が飛び交うことだろう。

鉄路復旧との間で揺れるBRT(バス高速輸送システム)が 運行される年内までの暫定とするが(注*)、 地域民にとって、大きな朗報であることに違いない。 写真は、長らく当方の唯一の足でもあった代替路線バス 「ミヤコーバス」の当初に運行されたダイヤの一片。 あらためて、折れジワとメモ(自分でも読めない!)を見ていると、
余所者として運転手さんにお世話になった日々が 惨禍の光景と重なって、鮮烈に瞼の向こうに蘇ってくる。 「青春18きっぷ」の利用期間内(〜9/10)に、 柳津ー気仙沼を各停ごとに訪ねて、復興の様子を見てこよう。 *メディアによって、記事が抜本的が違うのはなぜなのか。 「代行バスvsBRT」の単なる表記違いとは思えず、報道不信に陥る。
msn産経ニュース→http://p.tl/3A6c kolnet河北新報→ttp://p.tl/f2ra


2012/07/18

甲子園よ永遠なれ (July18, 2012)

ふと、ロハで見られる外野のスタンドに寝転がって、
白球を無心に追う球児たちと入道雲を眺める。
スコアボードの得点が陽炎のように霞んで見える。

赤勝て!白勝て!オジサンは心の中で叫ぶ。
もとい、ユニフォームは今どきのグレーと薄い水色。

この生きづらい世の中を、一瞬ながら忘れさせてくれる。

◯「人生に野球の心を」・・・男の背中...
名も無い地方球場で出逢った、ひとしずくの名句。


2012/07/17

甲子園よ永遠なれ (July17, 2012)

高校野球は、勝敗がすべてではない。

宮城県大会の3回戦、被災地からセンバツ出場した石巻工が、

東北に0-7で敗れて春夏連続は成らなかった。(柴田町総合運動場)
泣いたけど「いい顔している」とは朝刊が報じる見出しで、
白球を追った3年間こそが、かけがえのない宝物である。

2012年3月21日。
第84回選抜高校野球大会の開会式。

全国の誰もが涙した、石巻工・阿部翔人主将の選手宣誓。
高校野球ファンの心に、永遠に棲み続けるに違いない。

〇選手宣誓全文(nikkansports.com3/21:10:51)


「東日本大震災から1年。日本は復興の真っ最中です。
被災された方々の中で苦しくて心の整理のつかない方、
今も当時のことや亡くなられた方を忘れられず、
悲しみに暮れている方々がたくさんいます。人は誰でも
答えのない悲しみを受け入れることは苦しくて辛いことです。

しかし日本がひとつになり、この苦難を乗り越えることができれば
その先に大きな幸せが待っていると信じています。
だからこそ、日本中に届けます。感動、勇気、そして笑顔。
見せましょう、日本の底力、絆を。われわれ高校球児に
できること。それは全力で戦い抜き、最後まであきらめない
ことです。今、野球ができることに感謝し、
全身全霊で正々堂々とプレーすることを誓います」

(写真は11年3月11日、石巻工のグラウンド付近で撮影)


2012/07/16

Today's Shot (July 16. 2012)

30万人もの人出を呼ぶ、靖国神社「みたままつり」の最終日。
見世物小屋の写メが友人から届いて、急きょ駆けつける。
夏浴衣を粋に着こなした都会の高校生が境内を埋め尽くしている。
小走りに30分、いつものようにフィルム1本分撮影。

この写真が気に入ったので、新たにトピックとして、
「Today's Shot」を立てることに。いわば、本日の一葉です。
・・・携帯カメラ一台で、みんながこんなに楽しげになれる!
若さって、スバラシイ。これは、フィルムでなく、

フトコロに忍ばせていたアイフォンで、咄嗟に撮ったものです。




2012/07/15

広告のある光景4-2 (July 15, 2012)

(続・14日付小投稿)
同キャンペーンの駅張りポスターも多く見かけたが、
そもそも広告の送り手側が、報道される以上の大変な暮らしを

余儀なくされている東北の方々の気持ちに寄り添ったり、
少しでもチカラになりたい、という在るべき姿勢が、
この広告キャンペーンには感じにくく、もはや放棄している?
そんな疑問が消えず、別カットの写真を添えて投稿です。

「そろそろ被災地へ行きたいけどキッカケが...」と感じる
善良な市民の想いを、"観光"という甘い蜜で大義名分化させて、
自らの飽くなき利益に結びつける、送り手側の能天気さ。
まさに今在る日本の有り様が露呈されて、危機感を拭えない。

それは、正義とか善悪とか礼節...など受け手側の心情に息づく
ピュアな支援の意識とは乖離した発信側の思惑が、
広告という公の場で顕在することへの、大いなる危惧である。

「観光することが支援になる」という世の表層モードも、
流布された「絆」に疑問符が投げかけられたように、
ある種まやかしの体のいい言葉として、ほんとかな?と
利用者に見透かされているのが、現在の空気ではなかろうか。

そもそも観光によって地域が活性化、経済が潤う...の図式は
その恩恵が被災された方々に届くのとはイコールでない。
いわば観光産業の「儲けたい」の一心でしかなく、

あからさまに言うのも何だから、"活性化"と濁しているに過ぎない。
ということが、もはや見破られていて、その証拠に、
一皮剥いた本心の「金が落ちた、金が落ちない」のが
迂闊にも飛び交っていて(笑)。この私も何度と耳にしたことか。

・・・という自明の現状に、まるで気付こうともせず、
旧態依然の姿で集客を輸送会社にすがる、お目出たい観光協会。
不通区間の早期復旧の明言(11年4月/前会長)を棚に上げ、
自社の湯水のような利潤追求にひた走る、殿様商売のJR東日本。
両者思惑の構図?が、こうも安閑として続くのであれば、
真摯に東北の、日本全体の未来はない、と思わざるを得ない。

広告ジャックされた車内ポスターに寸時でも目を遣る人はなく、
今の世間を反映したままの、電車内のよどんだ空気。
きっと空前絶後の膨大ボリュームで撮影された写真群と、
べルトコンベア式に生産されたであろう大量のポスターが、
私の好きな移動の時間と空間を心痛く占拠していた。

本来、人々の心に+プラスの指向で届くはずの広告が
必要悪にならないように、と祈るように願いつつ下車した。

*結びに、ご覧になった方も少なくないかと思いますが、
拙ない前投稿に昨夜半コメントされた宮崎基弘氏の発言は、
すこぶる同感する貴重な直言であり、ご本人の同意を得て
ここに再録させていただきます。ぜひ、輪を広げましょう!
            ↓

『広告のコピーは、背景をきちんと分析し、販売対象を明確に
しなければ、品位を失います。こんなことは言いたくありませんが、
災地支援のお客様はJRの運賃を半額といたします。
この夏、現地でのお買い物をしていただく、特別便を増発いたします、
なる思いです。この夏休みは繁忙期価格をはずしていただきたい。
一東北在住者。』


2012/07/14

広告のある光景4 (July 14, 2012)

被災地に足繁く通っている身として、言いようのない不快感に
全身が包まれるJR東の広告キャンペーンが再び始まった。
しかも山手線の全車両独占ポスターという、広告ジャックである。

この広告に対する私意見は、第一弾広告が東日本全域をジャックし

昨秋の11/11から14,21,12/7付投稿で異議を申し立てて
きたが、「またか」と「失望」のダブルの念に駆られている。

不通在来線の復興ビジョンを今だに曖昧にしたまま、
ドル箱の新幹線に吸引・疾走させては利潤を加速させる。
そもそも骨身を削って自発的に被災地入り、かつ見返りを求めない
支援が当然、という社会の潮流もどこ吹く風なのか。

このほど、前キャンペーンが業界の恒例行事である広告賞の
2011年度の「準朝日広告賞」を射止めたので、
さらなる拍手喝采で迎えられていることは容易に想像できる。
が、3.11以来、これほど既存価値の転換が問われる中で、
広告ブツの大量消尽に広告業界は今だに浮かれているのだろうか。
誤解を恐れずに言えば、もし自らが被災地の瓦礫の中を歩いていれば、

この広告は出ないものである。出せない絵空事である。
関係者の誰ひとりが、身をもってそういうことをしたとは思えない

東京電力と構図が似通っている親方日の丸の収益企業体・
金満「JR東日本」の東北キャンペーンには、

誰も意義を唱えようとせず、まるで羊のような従順な日本人である

夏のJR「青春18きっぷ」の利用開始日は7月20日、
高すぎて乗れるはずもない新幹線を見遣って、ボンビーの私は、
在来線とバスを乗り継ぎ、東北の沿岸に深く分け入る。

2012/07/13

鎮魂の町を歩く(vol.11)-10名取市2


建物の屋上などに船が乗り上げた光景は、
多く報道されてきたが、路肩となればニュースにならない。

宮城県の沿岸、名取市閖上(ゆりあげ)地区。
あまりに広域なので、貸し自転車を漕いで廻ったが、
民家の庭先も含めて何艘もの小型船が
方々の道路脇に横たわっている姿は、異景としか思えない。

時折やってくる観光客らしきグループが、
笑いをこらえて船体と記念撮影をするシーンを目にする。
笑止千万というほかなく、下を向いて場を後にした。

2012/07/12

鎮魂の町を歩く(vol.11)-10名取市1

高校野球地方予選もたけなわ、東北の球児がとりわけ気になる。
そんな折、名取市・閖上小学校の体育館横に、
うず高く積まれたトロフィーや顕彰楯に胸が締めつけられた。

中でも、甲子園の3文字が縦に印された硬式ボールは、
甲子園球場にて小遣い銭で買える記念品で、
聖地を夢見る球児なら、誰もが手に入れたい甲子園グッズ。

甲子園通い連続38年、ダンボール箱に在る小コレクションから、
同じボールを、持主だった人にそっと差し上げたい。


2012/07/11

鎮魂の町を歩く(vol.11)-9気仙沼市1


ダルビッシュの米球宴初出場が耳目を集める中、
2010年宮城大会で準優勝した実力校、気仙沼向洋高の
県大会2回戦敗退を朝刊が囲み欄で報じていた。

校舎が壊滅的被害を受けて、仮設住宅が建つ気仙沼西校の
グラウンドを借りて練習してきた同校。
「被災は言い訳にならない」とは監督の潔き弁だが、
さすがは海の男を育くむ伝統校だからだろうか。

今日7月11日で、あの日から16ヶ月。
現在でも約2700名、気仙沼市だけでも約260名もの
見つからない方々の捜索が広域で行われている。


2012/07/10

アーサー・ホーランド2012「日本列島縦断十字架行進」8/ 7/10「LIVE TALK SHOW」@中野「弁天」ミニレポート


列島十字架行進の映像と渾身のノンストップ・トーク100分。
3.11を体験しても、何ら変わらぬ世情と路頭にさまよう
日本と日本人を鼓舞するかのように、親鸞、一茶、鴨長明、
ゲーテ、サンクチュベリetc...古今東西の警句も交えた
野性の叫びが、マシンガンの如く満席のライブハウスに轟いた。

ゲストで登場した「北の国から」の演出家・杉田成道氏、
名プロデューサー・嶋田親一氏との3人巴のトークも、
テレビ番組とAKB48のエピソードまで織り込まれて絶妙。

月1のアーサー・ホーランドのライブトークショーは、

8/7(火)、9/4(火)...と続く。東北、北海道の列島縦断行路から
トンボ帰りしてのステージ。ぜひ、お楽しみに。

http://blog.arthur-hollands.com/?page=2
http://www.facebook.com/arthuerhollands

アーサー・ホーランド2012「日本列島縦断十字架行進」7/ WALK ACROSS JAPAN/『不良牧師!』(文春文庫)

2002年の初版以来、版を重ね続けているアーサー・ホーランドの
自伝的な一冊。久々に1円アマゾン川で釣り直し一気に読んだ。
 20年前の列島縦断を緒にした、内外5回の十字架行進をはじめ、
 行動力の源泉が東京砂漠のオアシスのように響いてくる。

 ★7/10「LIVE TALK SHOW」アーサー・ホーランドの最新ブログ http://blog.arthur-hollands.com/?page=2 (『不良牧師!』(文春文庫) データベースより) 新宿の路上で「あなたは愛されている」と語り続け、材木の十字架を背負って日本列島を縦断。元ヤクザを集めたクリスチャン集団「ミッション・バラバ」の生みの親にして、ハーレーに乗った伝道師。そして今、薬物依存者救済に取り組む男。自ら「不良牧師」と名乗る混血の五十男の半生記。

2012/07/09

鎮魂の町を歩く(vol.11)-8南相馬市


原ノ町駅近く、目を見張る素敵な図書館に吸い寄せられる。
ふと展示コーナーで目を射ったのは、
「復興ビジョンのための南相馬百年写真館」。

関東大震災の発生の第一報を、当時最新の無電技術を誇った
原町無線塔が欧米へ発信。世界中からの支援に
つながったことを、当時の貴重な資料が示してくれた。

「震災と津波、引き起こされた東電原子力発電所災害以降、
この地域では文化的な活動ができていない」・・・
と広報は謙遜するが、こんなに素晴らしい展覧が
出来るまでになったことに、エールの拍手を送った。


2012/07/08

鎮魂の町を歩く(vol.11)-7相馬野馬追

騎馬武者の勇壮な戦国絵巻で、一千余年の歴史を有する
国指定重要無形民俗文化財の「相馬野馬追」。
昨年は規模の縮小を余儀なくされて...今年の行方が気になる。

額装された駅貼りのポスターにも伝統と風格が滲み出て、
今年に賭ける地元の意気込みが漲っている。
ひも解けば、古くは武士道精神、新しくは二宮尊徳の報徳精神を
礎として、「相馬は東国の君子国」と言わしめたという。

きらびやかなイベントとして賑わいをみせる
東北六魂祭(東北6大祭り)とは、趣を異にする「相馬野馬追」。
復興の真の後押しになることを願わずにいられない。


鎮魂の町を歩く(vol.11)-6亘理〜相馬〜原ノ町

常磐線は、相馬と原ノ町間が運行再開されて、
現在、不通の亘理ー相馬間が代行バスでの輸送となっている。
もちろん、原ノ町ー広野間は原発エリアのため、
鉄道再開の光どころか、代行バスがあろうはずもない。

亘理、相馬、原ノ町といった、被害の少なかった駅舎は、
どこも立派な顔立ちで、風土の歴史が漂う。
震災の光と影。見て来たシーンが瞼にそっと浮かぶ。