お上社会のこの国では、「百年に一度」
なる文言が流布されるや、お上どころか、
百年前を未体験の人々に詭弁のごとく
唱えられ空疎感が増す、ニッポンである。
『古事記』の神話にも登場する案山子。
人間にとっての命であるコメを護るため
命をかけ田に立つ。全天候下、風雪に
晒され、天災に耐え、着の身着のままの
丸腰のイデタチで、365日不眠不休、
人間の身代わりとなって田に屹立する。
もはや絶滅の危惧種?に近いと言われる
そんな案山子たち一体ごとの眼差しの
先には、いま人間界はどう映るのだろう。
列島のどこもがピカピカ・ツルツルで
無色無臭“デオトラント日本”に変貌する
なかで、モノも言わずにじっと耐えて
さえざえと地に暮らしている案山子たち。
そこに在るのは、日本人の心の奥底で
久しくかくれんぼしてた心象風景であり、
いつだって痕跡のような原風景である。
裸にて 生まれてきたに 何不足 (一茶)
撮影地:上州・吾妻線 郷原〜群馬原町
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『カカシバイブル』(東京書籍・2009年)
全国の案山子、161体が載っています
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「ピート小林と歩くこころの日本遺産 案山子」
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