打ち捨てられた案山子に魅了されて久しい。
最後に発見したのは岐阜の瑞浪エリア、
かれこれ10年は経つ。案山子そのものが
めっきり減って、もはや“棄景”といえる
捨て案山子には遭えないのだろうか!?
この日、桜でもお世話になった秩父路に
照準を定める。奥深い山里。車窓から、
一瞬、棒切れと塊のようなモノが眼下に。
終着駅から踵を返し白久駅に降り立つや、
持ち時間15分。“捨て案山子 捨て......”
と唱えながら急坂を転げるように下るや、
ヌッと現れたのは生きた案山子だった。
まさに昼行灯である。我が“そこひ”眼を
恨んだらバチが当たる。鷹カイト案山子に
あざ笑われながら、よこしまな邪念を
知らずにナマの案山子が迎えてくれた幸に
襟を糺して感謝のシャッターを切った。
案山子みたいな当直の駅係員さんに挨拶、
寂寥感ただよう駅名標が、また来てね!
と無言のエールを送っているようだった。
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『カカシバイブル』(東京書籍・2009年)
全国の案山子、161体が載っています
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「ピート小林と歩くこころの日本遺産 案山子」
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