2013/07/03

広告のある光景6-1 (July 3, 2013)

~「CM天気図」に見る、広告のある光景~

水曜コラム「CM天気図」(朝日)にハタと膝を打った。

広告を通して社会に切り込む人気のシリーズだが、
「金だ金々 金だ金々~この世は金だ~」と、
"金"オンパレードの演歌節で、どこかで目にした!と思ったら、
演歌壮士の添田啞禪坊(あぜんぼう)の節だった。

後に単行本化されたスポーツ紙の好評連載コラム
『ぼちぼち歩こう墓地散歩*』の中で見たのを思い出して、
早速、書籍に収まった啞禪坊のページを開く。

(抄録)
「ああわからない」の一節:
「賢い人がなんぼでも/ある世の中に馬鹿者が/
議員になるのがわからない/議員というのは名ばかりで/
間抜けでふぬけで腰抜けで/いつもぼんやり椅子の番」。
圧巻は「ああ金の世や」ー。
「ああ金の世や金の世や/地獄の沙汰も金次第/
笑うも金よ泣くも金/一も二も三も金/
親子の仲を割くのも金/夫婦の縁を切るも金/~~(以下、略)。

この「ああ金の世や」の歌い回しが「CM天気図」の
それ(金々節)と異なるのは出典が違いで、
「You Tube」で聴いてみると見事なブルース調。
あの小沢昭一と一脈が通じて、フォークの旗手・髙田渡が
啞禪坊の曲をアレンジして歌ったというのも頷ける。

コラムの編集委員であり、スポーツ新聞の記者は記述する。
「啞禪坊の、世間をあざけるようなその歌詞は、
しかしなぜ我々はこんな袋小路に追い込まれたのか、
その責任を問う痛烈な政治批判をにじませて、喝采を浴びた...」

さて、表題の「CM天気図」の筆者である天野祐吉氏は、
「求むスポンサー」とタイトル書きして、
この啞禪坊の歌がCMソングにならないかな、
と前からひそかに思っている、とコラムで書いている。

続けて、橋本治さんの土曜日の「オピニオン」面に触れて、
「いまこの国は景気さえよくなれば、憲法を変えようが
原発を再稼働させようが『ええじゃないか、ええじゃないか』
の空気にあふれている。(読んでいたが合点がいっていた)
加えて(中略)
それともいっそ、東電さんあたりが自己批判も含めて
「金だ金々この国は金だ」とやってくれたら、
日本も変わると思うけどなあ。」と結んでいる。

梅雨の半ば、覆う雲を割けるか!この国への思いが募る。
































*石井秀一著『ぼちぼち歩こう墓地散歩』(日刊スポーツ出版社)
http://p.tl/1jXC
坂本龍馬から忌野清志郎まで197人掲載!墓マイラー必携本!
「添田啞禪坊」の項は140144P
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