2013/07/05

1970's at The Ben Jonson, San Francisco ⑨

「ギブ・ミー・ア・スカッチ・ミルク!」
"Scotch"(スコッチ)"なる酒の名を初めて耳にしたのは、
ウエイターとして働いていた米軍キャンプ。
クラブ支配人からの好物ドリンクの注文だった。

時は、まだ渡米する前の60年代の半ば。
余談ながら、かの支配人はクラブに慰問に来日した
カントリー&ウエスタンの大御所「ハンク・スノウ」に
我がギターの"サイン*"を取り持ってくれたり、
"フェンスの向こうのアメリカ"の思い出は尽きない。

それはさておき、舶来/高級品を嗜好する日本。
スコッチといえば、モルト・ウイスキー、
ことにシングル/ピュア・モルトが
今もって人気を博しているが、幸か不幸か、
あの頃のアメリカにはモルト・ウイスキーはまだなく、
The Ben Jonsonでもスコッチといえば、
もっぱらブレンディッド・ウイスキーだった。

食前酒には、好みの銘柄をベースにした
マンハッタンのスコッチ版「Rob Roy」(ロブロイ)を、
食後酒には、リキュールのDrambuie(ドラムブイ)が
フロートされた「Rusty Nail」(ラスティ・ネイル)を愉しむ。
スコッチ好きの飲酒パターンをあげるなら、
分かりやすい代表的な例として、こんな記号になる。

ボトル棚を眺めれば、「Irish Coffee」で名高い
アイリッシュ・ウイスキーも、首を揃えて指名を待っている。

〜お国のバーボンと等しく、世界のウイスキーを愛する。
アメリカ合衆国でも進取の気性にあふれる街、
それが西海岸のサンフランシスコの魅力、と言っていい。










































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2013/07/04

1970's at The Ben Jonson, San Francisco ⑧

アメリカ合衆国がバーボン・ウイスキーなら、
お隣のカナダにはカナディアン・ウイスキーがある。
そんな分かりやすい図式のCanadian Whiskyは、
メローでソフト、少なからずファンがいる。

とかくプレミアム嗜好の強い日本では、
「クラウン・ローヤル」が一番人気のようだが、
同じシーグラムの「V.O.」と「C.C.」の呼び名で親しまる
カナディアン・クラブが人気を競っていた。

マンハッタン・カクテルのベースとしても、
ライやバーボンの代わりにカナディアンを好む向きも多く、
ことにC.C.ベースの「C.C. Manhattan」のコールが、
バー・カウンターのステーションに響いていた。

あいにくスクラップしたラベルを消失してしまい、
投稿図版の「5クラウン」で代用するが、
シーグラム社が生産する「7クラウン」は、カナディアンならぬ、
アメリカン・ブレンディッド・ウイスキーの傑作。
まろやかな味が好評で、アメリカ人好みの7アップで割る、
「7&7」(セブン・セブン)が時代の中で輝いていた。













































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2013/07/03

広告のある光景6-1 (July 3, 2013)

~「CM天気図」に見る、広告のある光景~

水曜コラム「CM天気図」(朝日)にハタと膝を打った。

広告を通して社会に切り込む人気のシリーズだが、
「金だ金々 金だ金々~この世は金だ~」と、
"金"オンパレードの演歌節で、どこかで目にした!と思ったら、
演歌壮士の添田啞禪坊(あぜんぼう)の節だった。

後に単行本化されたスポーツ紙の好評連載コラム
『ぼちぼち歩こう墓地散歩*』の中で見たのを思い出して、
早速、書籍に収まった啞禪坊のページを開く。

(抄録)
「ああわからない」の一節:
「賢い人がなんぼでも/ある世の中に馬鹿者が/
議員になるのがわからない/議員というのは名ばかりで/
間抜けでふぬけで腰抜けで/いつもぼんやり椅子の番」。
圧巻は「ああ金の世や」ー。
「ああ金の世や金の世や/地獄の沙汰も金次第/
笑うも金よ泣くも金/一も二も三も金/
親子の仲を割くのも金/夫婦の縁を切るも金/~~(以下、略)。

この「ああ金の世や」の歌い回しが「CM天気図」の
それ(金々節)と異なるのは出典が違いで、
「You Tube」で聴いてみると見事なブルース調。
あの小沢昭一と一脈が通じて、フォークの旗手・髙田渡が
啞禪坊の曲をアレンジして歌ったというのも頷ける。

コラムの編集委員であり、スポーツ新聞の記者は記述する。
「啞禪坊の、世間をあざけるようなその歌詞は、
しかしなぜ我々はこんな袋小路に追い込まれたのか、
その責任を問う痛烈な政治批判をにじませて、喝采を浴びた...」

さて、表題の「CM天気図」の筆者である天野祐吉氏は、
「求むスポンサー」とタイトル書きして、
この啞禪坊の歌がCMソングにならないかな、
と前からひそかに思っている、とコラムで書いている。

続けて、橋本治さんの土曜日の「オピニオン」面に触れて、
「いまこの国は景気さえよくなれば、憲法を変えようが
原発を再稼働させようが『ええじゃないか、ええじゃないか』
の空気にあふれている。(読んでいたが合点がいっていた)
加えて(中略)
それともいっそ、東電さんあたりが自己批判も含めて
「金だ金々この国は金だ」とやってくれたら、
日本も変わると思うけどなあ。」と結んでいる。

梅雨の半ば、覆う雲を割けるか!この国への思いが募る。
































*石井秀一著『ぼちぼち歩こう墓地散歩』(日刊スポーツ出版社)
http://p.tl/1jXC
坂本龍馬から忌野清志郎まで197人掲載!墓マイラー必携本!
「添田啞禪坊」の項は140144P
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2013/07/02

1970's at The Ben Jonson, San Francisco ⑦

白モノから琥珀色へ。といっても家電にあらず、
boose(アルコール・酒類)の世界である。

まずは、いわずと知れたBourbon(バーボン)。
日本では80年代にブームを迎えて、
今ではいわゆる高級バーボンが好まれるようだが、
70年代初期の本国のそれは素朴なものだった。

ストレート・バーボン・ウイスキー、テネシー・ウイスキー、
ボンデッド・ウイスキー、ストレート・ライ・ウイスキー、
そして(古来)バーボンベースだったリキュールの
サザン・カンフォートまで、懐かしいラベルが行儀よく並ぶ。
どれも現在のラベルとは意匠を異にして、
まさに、あの頃のアメリカといった風情である。
(クイズ:紛れ込んだスコッチの1銘柄はどれでしょう?)

バーボン・ベースのカクテルといえば、
マティーニと人気を分ち、カクテルの女王と言われたマンハッタン*。
通常はスイート・ベルモットを使うのだが、
当時は、ドライ・ベルモットを使うドライ・マンハッタンが、
スコッチベースの「Rob Roy」(ロブロイ)と並ぶ人気ものだった。

もうひとつ、忘れじのドリンクとして、
「Old Fashioned**」(オールド・ファッションド)と
「Mint Julep」(ミント・ジュレップ)がある。
幸か不幸か、日本においては、名前が時代遅れなのか、
前者はさほど流通するもこともなく、
後者は「モヒート」人気に後退の一途のようだ。

*掲載写真は、バー「B」@ 赤坂の「マンハッタン」

**掲載写真は、制作・編集にあたった
「THE SUNTORY COCKTAIL BOOK」 より



























































*掲載写真(下から2番目)は、
バー「B」@ 赤坂の「マンハッタン」

**掲載写真(一番下)は、
「THE SUNTORY COCKTAIL BOOK」の
「オールド・ファッションド 」
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2013/07/01

場末の飲み屋は、日本遺産!

 遠い昔、進駐軍の基地で米兵に鼻であしらわれ、
本国のカリフォルニアでは昼な夜な衆人に万端サービス。
青春を皿洗いとバーテンダー職に捧げた(笑)せいか、
まだ"アルチューハイマー"でないのを幸いに,
列島ゆくところ、あちこちの飲み屋を徘徊している。

全国には一体全体、どれだけの飲み屋があるのだろう。
かつてよく飲み歩いた外国からの友は、帰国するや口を揃えて
「ニッポンよいとこ、ママさん恋しや、飲み屋ホームシック」
と連発する。まさに飲兵衛天国ニッポン、僥倖の地なのだ。

「世界遺産」の富士山も結構なことだが、もっとも身近な
「日本遺産」を見逃していないか。放っていないか。

いま惹き付けられるのは、場末の零落した飲み屋である。
あばらやのような店なら申し分なし、かしげた戸口からそっと入る。
あるのは人肌と人情。お通しだのツキ出しだの、
不透明な不純物は一切ナシ。アテは善意の値で真心の美味しさ。

スッピンか、ドギツイ化粧の妙齢以上のママ。
愛想もおべっかいもなく、身の上話なんかももロハでくる。
哀愁と哀惜。シャバのコリが一気にほぐれて、
極上の人生の機微と襞が惜しみなく、与えられる。

盛り場があれば、廃れ場があってしかり。浮世の急所である。






















☆ピート小林と歩く「こころの日本遺産」
◯場末の飲み屋は、浮世の急所
→http://p.tl/Odhs
(日刊スポーツ・アーカイブ)
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