青森県南端に位置する田子(たっこ)町。
その名を耳にするのもお初だったが、
「生産量日本一!のニンニクどころに
案山子がワンサカいる!」と津軽の
友人からホットニュースが飛び込めば、
何はさておいて駆け付けねばならぬ。
盛岡から、短い巻き舌が二重でもつれる
第三セクター「IGRいわて銀河鉄道」と
「青い森鉄道」を乗り継いで1時間30分。
ようやく!着いた無人駅の三戸から
南部バスに揺られて40分。突如として
現れた国道沿いのヒマワリ畑の中で
ニンニク顔の案山子たちが列を成して
遠来の珍客を睨んでいる!ではないか。
「日本で最も美しい村」を標榜する
町村が生産!しかも生来のニンニク好き
輩ながらも、迂闊にも今までン年間、
ニンニク案山子はツユ知らずでゴメンよ、
ソーリー。ま、ペーソスたっぷりの
ニンニク案山子の面々に頬もほっこり。
……てなことは“予定調和”であって、
酔眼老眼の目ん玉を何よりも捉えたのは、
デーンと書かれた「東日本大震災復興」
ボード板。コロナ禍で久しく目にせず
だったが、内陸の田子からのエールこそ
遠く離れた沿岸の被災地に届いている!
と願って止まない。大輪のヒマワリと
着の身着の案山子たちがそう言っている。
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『カカシバイブル』(東京書籍・2009年)
全国の案山子、161体ほどが載っています
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