2013/03/03

こころの日本遺産「雛祭り」(March 3, 2013)

♪あかりをつけましょ
ぼんぼりに
お花をあげましょ 桃の花
五人ばやしの 笛太鼓
今日はたのしい ひな祭り~~

瞼を閉じると、雛祭りの歌が聞こえてくる。
やさぐれて凍えていたココロに、
ポッと灯りがついたようで、こころなしか
やさしい気持ちになれる気がする。

真壁(茨城県)、佐原(千葉県)、岩槻(埼玉県)、
伊豆稲取(静岡県)、倉吉(鳥取県)、鞆の浦(広島県)......
流浪の旅路の出た目で、雛祭りに出合うと
なぜかしら写真の虫が騒ぐ。いや、お雛さまが
私を撮って!といななくような気がしてレンズを向けてきた。

そんな中でも、いちばん心を揺さぶられたのは、
青森県・黒石市の「雪だるま祭り」で出合った、
なんと、ひな壇を模したミニ雪だるまたち
シバレル寒さの中、春を待ち望む子どもたちの顔が
雪景色の向こうに今もくっきりと浮かんでくる。

ひるがえって、今どきの雛人形の豪華絢爛なこと、
いったら度が過ぎていて、正札を見ると思わずため息である。
そんな雛人形には、レンズが駄々をこねて開かない、
というビンボー人のひがみは差し置いて、
あの雪国で見かけた雪だるまのひな壇のような
素朴な雛祭りの光景は、繁栄を謳歌するこの日本の
どこかでひっそりと残っているのだろうか?

図書館にトボトボと行くと、片隅の一角に、
それでも雛祭りの「紙芝居」が山のようにあって、
ほっと胸をなでおろした。両手いっぱいに
抱えて帰って、1人紙芝居をやってみる。
朴念仁の不肖もジンワリ、一気に紙芝居好きだった
昭和の少年にワープしてしまった。



















今日3月3日は、ちょうど日曜日、
被災地の子どもたちが、雛祭りを祝えますように。

★ピート小林と歩く「こころの日本遺産」雛祭り
http://p.tl/RN26
(日刊スポーツ・アーカイブ)
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