2013/11/13

「言葉も食べている」偽装食品

ブルボン小林といえば、小説家・長嶋有の別ネームだが、
朝刊の寄稿「言葉も食べている」に引き込まれた。
(11/13付・朝日新聞本社版オピニオン面)

一連のメニュー偽装表示問題について、アイロニーたっぷりに、
欲や期待を抱く人間の滑稽さに切り込んだもので、
同時に「言葉を食べている」とする捉え方が鮮やかである。

衆目がメニュー偽装に集まっているが、ばってん、
ステラおばさんのクッキー、博多天神ラーメン、
世界の亀山モデル、魚沼産コシヒカリ、リッツカールトン...
といった銘柄建てそのものを遡上にあげている点が鋭い。

ま、生来、ひもじい思いから逃れられない私は、
口に入れるものといえば、割引のコッペパンやら、
スーパーの閉店セールでありつく売れ残り品。

もっといえば、田んぼの案山子が護ってくれるお米の
おむすび(現・おにぎり)さえあれば、365日、生きていける。
五尺九寸、二十貫の体躯を今も保てるのだ。

そう、食べものに貴賤があろうはずもなく、
お百姓さんの幸を、いただけるだけ感謝である。

高級料理といえば、月に一度ぐらい奮発して訪ねる、
「サイゼリア」でいただくものぐらいので、
所詮、今の食品偽装モンダイは、別天地のストーリー。

「レトワール風オードブル ホテル菜園の無農薬サラダを添えて」
・・・なんていう、舌を噛むようなメニューには、
とんと縁がなく、気障りもストレスも生じようがないのだ。

そう、都会って、すなわち虚飾なのだから。





















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