2014/07/23

18きっぷと櫓と文庫本

18きっぷと地区大会の櫓と文庫本は、
相性がとてもいい。常磐線の鈍行に揺られながら、
茨城の準々決勝「ひたちなか球場」への
道すがら往復6時間を、たっぷり楽しんだ。

櫓とは、トーナメント表のことで、
参加100校から勝ち上がった8校の足取りを
追えるので、想像力を刺激されていい。

車窓に流れる夏景色をBGMに、
小林秀雄と岡潔の対談「人間の建設」の
文庫本のページを繰っていく。
半年前、友人に勧められた一冊だ。

タイトルからして、すこぶるいい。
「人間の建設」において大切なことは何か。
私たちは、何を拠り所とすべきか。
ネットをはじめ情報メディアの爆発的発展に
魂が取り残されつつある現代人にとって、
通奏低音のように響く滋養がちりばめられている。

帰ってから、岡潔の「春風夏雨」をひもとく。
「人間の建設」にしても、高校野球とは
何の脈絡もない内容なのだが、そこがいい。

梅雨の明けたばかりの寝苦しい夜に、
一滴の涼しげな風が吹いてくるようだ。






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