2014/05/11

"桜物件"もまた楽しからずや②[私的アーカイブ]

列島の津々浦々を久しく歩いてきて、
"桜物件"で目を射とめるのは
風土の色が濃く出ているものである。

ネット万能と思える時代の中で、
桜は、抱え持つ歴史の堆積だろうか、
デジタル情報・思考からでは
決して捉えられないアナログ情況こそが、
桜股旅人のこころの琴線に刺さる。

そこ在るのは、先人から継続された
桜への思いであって、今を生きる人間が、
クリックひとつで得られる桜世界とは、
まるで様相を異にするものなのだ。

写真①
駐車場の案内看板ひとつをとっても、
"日本三大桜"と称される桜を
ふた昔前に初参観した時と何ら変わらなく、
桜の字からして、天下一品の出来映え。
(4/15投稿・悠久の二千年とは「山高神代桜」)

写真②
お腹ペコペコで目に留まった店先の
無造作な「造花」に宿る風情は、
美味満タンの午餐を出す店主のこころ。
(4/27投稿「日光の桜、結構なり」)

写真③④
あの「冬ソナ」をモチーフにする
パチンコ店の入口のドアを
ノスタルジックに彩る花びらの意匠美。
そして、場末の横丁にぽつねんと
ある酒処「さくら」のサインの姿形には、
女将さんの人肌と人情が滲み出る。
(弘前・歓楽街)

写真⑤⑥
他方、かつての賑わいを再び、と
年一度の桜シーズンに賭けて、
さんざめく演出をする商魂の光と影。
(函館・ひかりの屋台「大門横丁」)

どこかとり澄ました都会の桜と違って、
日本人の心性が顕著に表出する
列島のそこかしこに桜の"聖と俗"を見る。




















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*さまざまなメディアに「桜」関連を掲出してきましたが、
現在、以下の書籍、雑誌でお手にとってご覧いただけます。


























『にっぽんお宝桜撮影行』(枻文庫)

























『北海道さくら旅』(北海道新聞社)






















『別HO』桜増刊5月号 (ぶらんとマガジン社)
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https://www.facebook.com/petekobayashi

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